「二枚目」の代名詞として日本でも愛されたアラン・ドロンさん 「和製～」何人も 歌、CM、漫画にも登場

アラン・ドロンさん（2000年10月撮影）

　映画「太陽がいっぱい」などで知られるフランスの俳優、アラン・ドロンさんが死去した。88歳。フランスの複数メディアが伝えた。現地報道によると、18日に親族が明らかにした。

　日本では「美男俳優」「二枚目スター」「美男子」の代名詞として知られた20世紀を代表するフランスの名優が旅立った。

　1977年には、この年にデビューした榊原郁恵が「アル・パシーノ＋アラン・ドロン＜あなた」という曲を歌い、テレビCMでは水谷豊が出演した「S&Bポテトチップ」のCM内でライバルとして名を挙げるなど世界の「二枚目」の代表格として定着。漫画の中にも「こち亀」などさまざまな作品に登場した。

　また、小遊三のネタ「いないいな～い、アラン・ドロン！」でも有名で、このネタがきっかけで知ったという世代も多い。ネット上でも世界的名優の悲報に「小遊三の顔が浮かんだ」「小遊三が悲しむ」などのコメントが多く寄せられた。

　さらに、谷隼人、田村正和さん、草刈正雄ら日本の二枚目俳優がたびたび「和製アラン・ドロン」と形容された。フランスではラファエル・ペルソナが「アラン・ドロンの再来」「アラン・ドロン2世」として注目を浴びた。映画評論家で独特なキャラクターが人気を集めた「小森のおばちゃま」こと小森和子さんは熱狂的なドロンさんのファンとして有名。端正なマスクと影のある演技で「人類史上最も色気のある俳優」として日本でも愛された20世紀を代表する名優だった。

　ドロンさんは、1960年に公開された映画「太陽がいっぱい」を始め、「サムライ」「冒険者たち」など多くの映画に出演し、60年代にフランスを代表するスターに上り詰めた。71年の「レッド・サン」では故三船敏郎さんと共演。日本でも人気が高い。17年に引退を表明した。