阪神・大山 好調示す左方向への3安打 6回には11号ソロ「個人的には、いい状態だと思う」

＜中・神＞6回、大山はソロを放つ（撮影・椎名　航）

　◇セ・リーグ　阪神4ー8中日（2024年8月18日　バンテリンD）

　中日・大野が投じた外角直球を振り抜いた阪神・大山の打球は、美しい放物線を描いて左翼席へ飛び込んだ。意地の詰まった今季11号ソロは、高いバンテリンドームのフェンスを、軽々と越えていった。

　「個人的には、いい状態だと思う」

　2―7と劣勢で迎えた6回だ。先頭で打席に入り、反撃の一本を放った。先の4回無死一塁では外角のツーシームを捉えて左翼線二塁打。8回2死でも祖父江のスライダーを左前へ運んだ。今季3度目の3安打猛打賞。安打は全て、左方向だった。前日17日に放った2本の左前打と合わせて、これで5本連続で持ち味の引っ張った安打が出ており、復調ぶりがうかがえる。

　14日までの巨人3連戦では10打数無安打に終わったものの、この中日3連戦で、すぐさま立て直した。個人としては納得の内容で3連戦を終えた。とはいえ当然、笑顔はない。チームの勝利にこだわる背番号3は、静かに言葉を継いだ。

　「やっぱりチームが勝ってこそだと思うので。次はチームが勝てるように頑張っていきたい」

　そのバットをもってしてもチームを勝利に導くことはできず、引き分けを挟み3連敗。すでに自力優勝の可能性が消滅し、極めて苦しい状況ながら、まだ32試合を残す。打つべき人が打ち続ければ、頂点を望むことはできる。本来の姿を取り戻しつつある大山が、猛虎を再浮上させる。