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11年間を刑務所で過ごした36歳の健文トーレス「気持ちが伝わるボクシングを」

スポニチアネックス / 2024年8月20日 18時53分

試合へ向け意気込みを語る健文トーレス(亀田プロモーション提供)

 24日に開催されるボクシングイベント「3150×LUSHBOMU vol.1」(大阪・大和アリーナ)で52・5キロ契約10回戦に臨むWBO世界バンタム級11位の健文トーレス(36=TMK)が20日、大阪市内の所属ジムで練習を公開した。

 「日本での試合は約7年ぶり。今回の試合を組んでくれた方々もそうですが、日本で試合をするにあたってライセンス取得にご協力してくれた方々にも感謝しております」

 健文トーレスは元WBC世界ライトフライ級王者ヘルマン・トーレス(メキシコ)を父に持ち、その手ほどきを受けた。将来を嘱望され、一時はWBC世界バンタム級8位にランクされた。しかしタクシー強盗などで2度収監され、計11年間を刑務所で過ごした。「自分が罪を償えるとは思っていない。被害に遭わせた人もいます。仮に自分が世界王者になったとしても自分が更正したとは言えない。だけど、自分が間違っていたことを理解し、ボクシングは好きだったとあらためて感じた。その思いだけでも今回の試合で示したい」と心境を説明した。そして「家族にはいろいろ迷惑をかけたけど、今でも応援してくれるし相談に乗ってくれる。応援してくれる皆のためにもリングで感謝の気持ちが伝わるボクシングをします」と奮闘を誓う。

 亀田3兄弟とは同じ小学校に通い「一緒にトレーニングに励んだり、遊んだりもしていた仲」という。その縁もあり、TMKジムに所属して日本のリングに上がる。

 今年5月に敵地フィリピンで元世界王者のレイマート・ガバリョを初回TKOで破って世界ランクに復帰した。「自分では勝てないと一度はオファーを断った。だが、なんでこのような機会を断ってしまったのかと一生後悔すると思い、もう一度自ら連絡して試合に臨んだ。イチかバチかの勝負でした」と振り返る。

 対戦相手は東洋太平洋スーパーフライ級王者でWBO世界同級1位のKJ・カタラジャ(29=フィリピン)だ。「強い選手なのは間違いない。パンチもあるでしょうし、うるさそうな選手。でも自分は負けるとは全く思っていない。TMKジムに所属してから体のケアから学び直して、今までで一番充実した練習ができている。今のオレが気持ちと技術で負けることはない」。回り道をした36歳が世界初挑戦へ道を切り開けるか。

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