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【蹴トピ】阪口夢穂さん 11年女子W杯優勝メンバー 家業の運輸会社継ぎビジネス界でもVゴールを

スポニチアネックス / 2024年8月21日 6時3分

会社のタンクローリーの前に立つ阪口さん(本人提供、画像一部加工)

 なでしこジャパンの名ボランチがビジネス界でも存在感を発揮し始めた。一昨季限りで現役を引退した阪口夢穂さん(36)は現在、大阪府内にある家業の融星(ゆうせい)運輸株式会社の代表取締役を務めながら、サッカー関係の仕事をしている。このほど空間ソリューション事業を展開するフィル・カンパニーと業務委託契約を結び、新たなスタートを切った。行政書士や大型自動車免許など多くの資格を取得していることでも知られており、ビジネス界でもブレークしそうだ。(取材・構成 大西純一)

 11年女子W杯ドイツ大会で優勝、12年ロンドン五輪で銀メダルと輝かしい実績を持つ阪口さんはWEリーグ元年の21~22年シーズンに大宮で現役を引退。昨年10月に家業の融星運輸の代表取締役に就任した。それまで実兄が代表だったが、タンクローリーの運転手を兼ねているために、商談や銀行とのやりとりなど、経営に携わる時間が限られたことから、阪口さんにバトンタッチした。実は、現役引退後、同社の取締役に就任した時、阪口さんは「一通り取っての方が良いと思った」と、大型自動車免許やけん引免許、乙種第4類危険物取扱者など、タンクローリーの運転に必要な免許や資格を取得。今のところ自分で運転することはないが、行動力を示した。

 阪口さんが現役だった20年はコロナ禍で、外出が制限された時期があった。時間を有効活用しようと考え、資格の取得に挑戦。「今までサッカーしかしてこなかったから、逆に違うことをしたかった」と、一昨年は行政書士にチャレンジ。22年度は合格率12・13%の難関を突破しして合格。「普通に“士”がかっこいいなと思って。いろいろ調べて、受験資格が容易だった」と振り返る。昨年は宅地建物取引士に合格、さらにファイナンシャルプランナーも取得した。

 資格の取得が、つながりを広げた。宅建を取ったことをSNSで報告すると、元国際審判員の家本政明氏とつながった。審判員を引退し、現在は駐車場の上部空間や狭小地などを扱う空間ソリューション事業を展開するフィル・カンパニーの特命部長を務めている。関西進出を目指していたことや、宅建の資格が空間ソリューション事業に生かせることもあった。さらに同社は前Jリーグチェアマンの村井満氏が設立したONGAESHI Holdingsが資本業務提携。村井氏もチャレンジ精神旺盛で行動力のある阪口さんを評価し、同社に推薦した。

 なでしこジャパンでの実績は、商談の時などに役立っている。多方面にわたる資格取得の一方で、今のところサッカーの指導者や審判員のライセンスは持っていない。「サッカーの指導は今のところ興味ないが、先は分からない。どういうご縁があるか、つながりがあるか、面白い方を選んでいきたい」と、サッカーの仕事をする可能性もある。

 今後は「逆にいっぱいやりたいことがあって、何がしたいか分からない。何をやっているんですかと聞かれるのが難しい。いろいろやっていく中で絞られていくのかな。あれもこれもとやって中途半端になるかも」と、悩むところもある。それでも当分はビジネス界で新しい足跡を残すことに全力を注ぐ。

 ◇阪口 夢穂(さかぐち・みずほ)1987年(昭62)10月15日、堺市出身の36歳。03年にFC高槻スペランツァでLリーグデビュー。06年TASAKIペルーレFC、09年FCインディアナ(米国)、10年新潟、12年日テレ・ベレーザに移籍。WEリーグ元年の21年に大宮で1年プレーし現役引退。なでしこジャパンで124試合29得点。ポジションは主にボランチ。W杯は07年、11年、15年、19年大会、五輪は08年、12年大会に選出された。

 【阪口さんが取った資格】

 ☆大型自動車免許 トラック、ダンプカー、タンクローリーなどの大型車両を運転するための運転免許。トラックなどの第1種と、観光バスなどの第2種がある。普通免許を持っていれば自動車教習所で第1段階(場内教習)12時限、第2段階(路上教習)18時限、学科教習1時限で取得できる。

 ☆けん引免許 けん引装置を持つ車が、けん引されるための装置を持つ車両総重量750キロを超す他の車をけん引するときに必要な免許。大型トレーラーやタンクローリーなどを運転するには第1種免許が必要。自動車教習所で最短12時間の技能教習を受け、技能卒業検定に合格し、運転免許試験場で適性検査に合格すれば取得できる。

 ☆乙種第4類危険物取扱者 ガソリンなどの石油類、印刷インク、金属粉など燃焼性の高い物品を扱うのに必要な資格。タンクローリーの運転に必要。年齢、学歴、実務経験などの受験制限はなく、マークシート方式で、各都道府県で実施される。

 ☆行政書士 官公庁などに提出する書類を依頼を受けて作成したり、申請を代行することができる。国家資格で毎年11月に試験が行われる。憲法、行政法、民法、商法、基礎法学などが出題される。合格率10%程度と言われる難関。

 ☆宅地建物取引士 不動産の売買や賃貸物件の斡旋をする際に、土地や建物について専門知識を有し、登記や不動産の広さ、キャンセルの際の取り決めなどの重要事項の説明をすることができる国家資格。ニーズが高く、毎年約20万人が受験する。

 ☆ファイナンシャルプランナー 家計や金融、税、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度などの知識を持ち、ライフスタイルなどについて分析してアドバイスする専門家として認定される資格。NPO法人日本FP協会が認定する「CFP資格」(上級資格)「AFP資格」、国家検定であるFP技能士(1~3級)がある。

 ☆運行管理者(貨物)大型トラックやバス、タクシーなどのドライバーの管理をする国家資格。年に2回試験が行われる。

 ☆普通自動二輪 オートバイの運転免許。愛車はモンキー125。

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