【甲子園】神村学園 夏初めての決勝を目指してプロ注目の正林輝大「打てそうな感じがする」

神村学園・正林

　第106回全国高校野球選手権は、きょう21日に準決勝が行われる。20日は休養日で4強入りした各校は練習を行った。鹿児島県勢初の2年連続4強入りを果たした神村学園は兵庫県淡路市内の室内練習場で調整。小田大介監督（41）は準々決勝で今大会初打点を挙げたプロ注目の正林輝大（3年）の“絶好調”を宣言し、関東第一（東東京）との大一番での活躍に期待した。

　雨の予報だったため兵庫県淡路市内の室内で行われた練習。準々決勝で初打点を挙げた正林は快音を連発した。「いい感覚で振れたし、明日は打てそうな感じがする」と自信をにじませた。亜大の選手時代からよく打撃投手を務めて、この日も腕を振った小田監督は「あいつにはちょっと抑えにいったんですけど、打たれちゃいました。絶好調だと思います」と太鼓判を押した。

　今大会は苦しい試合が続いた。4試合で17打数2安打、打率・118。「ボールに入っていく時にボールを上から見る」ことを意識し、復調気配にある。今春選抜では本塁打を放っているが「大きいのを狙わず、低い打球を徹底していきたい」と勝つための打撃を徹底するつもりだ。

　打線は4試合中3試合で2桁安打をマークしている。昨夏ベスト4を経験したメンバーが多く残り、小田監督は「去年の経験が生きているのか落ち着いているし、慌てることが本当に少ない」と成長を感じている。プロ注目の151キロ右腕・坂井遼（3年）を擁する関東第一は3試合で4失点と堅守だが、「明日はやってくれると思う」と自信を持って送り出す。勝てば鹿児島県勢では準優勝した94年の樟南以来、30年ぶりの決勝進出となる。

　今岡拓夢（2年）の兄で前年主将の今岡歩夢（現金沢学院大）は準決勝での敗戦後に宿舎で「日本一の土を持って来い」と後輩に夢を託した。「ずっと心に響いている」と川下晃汰主将（3年）。100周年の聖地でチームの新たな歴史を刻むつもりだ。　（杉浦　友樹）

　≪OBのソフトバンク・渡辺陸も期待≫

　○…神村学園OBのソフトバンク・渡辺陸が、後輩たちのメンタル面の強さに太鼓判を押した。準々決勝・大社戦をテレビで観戦したことを明かし、「相手の凄い応援でも動じなかった。メンタルの成長を感じます。僕も神村で気持ちは強くなりましたから」と話した。ソフトバンクの育成選手・桑原、広島の内野手・羽月、楽天の投手・泰と共同でTシャツを寄贈。「昨夏も知ってる選手ばかりなんで、何かいけそうな気がしてますよ」と夏の甲子園初の決勝進出を期待していた。