日本ハム・水谷、「パイナップル打法」先頭V弾 チームは貯金再び2桁、3位ロッテ離した1差

＜ロ・日＞お得意ポーズの水谷（撮影・長久保　豊）

　◇パ・リーグ　日本ハム5ー3ロッテ（2024年8月20日　ZOZOマリン）

　夕暮れの空に白球が溶けた。高々と描かれたアーチの終着点はバックスクリーン。日本ハム・水谷が7月17日の楽天戦以来、今季2度目の先頭弾だ。試合開始早々の一撃でゲーム差なしで迎えた3位・ロッテとの直接対決でチームを勢いづけ「まずは（チームを）勢いづけたかった」と誇った。

　「1番・左翼」で先発出場し、初回に相手先発・小島に先制パンチを浴びせた。カウント2―1から低めの146キロ直球を強振。2位争いの大事な一戦で値千金の先制5号ソロとなった。この一発がチームに勢いを与え、3回には一挙3点を奪った。

　前回13日のロッテ戦は小島の前に零敗。水谷自身も4打数無安打に倒れていた。この日は午前中に千葉・鎌ケ谷の2軍施設に足を運び、佐藤2軍打撃コーチに助言を求めた。スポンジボールを打ちながら「こういうのをやってみたら？と引き出しを頂いた。ワンポイントレッスンが生きた。良い報告ができます」と感謝した。

　これまでも関東圏でのナイターの際は必ず昼間に2軍施設に足を運んだ。理由は「僕の原点だから」。ソフトバンクから現役ドラフトで加入した今季は開幕2軍スタートも、佐藤コーチからの指導が交流戦首位打者＆MVP獲得の礎となっただけに、原点回帰の一発でもあった。

　チームは連敗を3で止めて2位キープ。2位の座を守ればCSファーストSを本拠地のエスコンフィールドで開催できる。当面のライバルであるロッテには過去5年連続で負け越したが、今季はこれで15勝6敗1分けだ。

　新庄監督も「いきなり水谷君がね。パイナップル打法」と独特な髪形にちなんで絶賛。「今日の1勝はビッグですよ」と右拳に力を込めて球場を後にした。（清藤　駿太）