DeNA・牧 入団から4年連続100安打！球団では62年ぶりの快挙

＜D・中＞初回、適時打を放つ牧（撮影・島崎忠彦）

　◇セ・リーグ　DeNA4―2中日（2024年8月20日　横浜）

　両手の甲に「漢（おとこ）」のペイントシールを貼って報道陣の前に現れた。「横濱漢祭」の開催を祝して、だ。DeNA・牧が今季100安打に達する先制打を放ってチームを勝利に導き「安打数は気にしていないけど、100安打いけたのは良いこと。また一本一本、積み上げていきたい」と力を込めた。

　相手の先発は防御率0点台の高橋宏。初回2死一、二塁で「甘い球は少ない」と初球のカットボールを捉え、左前へ先制適時打を運んだ。これで球団3人目となる入団から4年連続100安打。59～67年に9年連続を記録した桑田武以来、62年ぶりの快挙となった。

　8月は打率1割台で、14日の広島戦の2打席目から11打席連続無安打で迎えた試合。軸足に体重を乗せ、目線がブレない本来の打撃が復活した。練習で試行錯誤を繰り返したが「軸を変えず、軸をしっかり持って臨もう」と気づいた。「毎日、試合はある。良いも悪いもある」と前向きな気持ちも忘れず、12打席ぶりの安打となる初回の快音につなげた。

　この日は空手家の角田信朗が来場し、試合前には右拳を掲げる「昇天」で花火と炎が上がった。「出陣じゃー！」と送り出され、竹刀を持った角田から「漢なら歯を見せるな！食いしばれ！」と鼓舞されていた。牧も先制打を放った直後、同じように右拳を天に突き上げた。現ロッテ打撃コーチで長年主砲を務めた「漢・村田」のように、男を上げた。

　三浦監督は牧について「しんどい時も常に前を見て頑張っている」と信頼する。まだまだ4位でCS進出圏内の3位・阪神とは3・5ゲーム差。牧がチーム浮沈の鍵を握る。（神田　佑）