なでしこジャパン池田太監督が退任 パリ五輪でメダル届かず

なでしこジャパン・池田監督

日本サッカー協会は21日、女子日本代表「なでしこジャパン」の池田太監督（53）が契約満了に伴い退任することを発表した。

　池田監督は17年に日本協会入りし、年代別の女子日本代表監督を歴任。高倉麻子氏の後任として、東京五輪後の21年10月になでしこジャパン監督に就任した。世代交代を進めながら強化を図り、昨年の女子W杯は1次リーグを全勝で突破。決勝トーナメント準々決勝で敗れたものの、準優勝した15年W杯以降、低迷していたなでしこジャパンの復活を印象づけた。今夏のパリ五輪は12年ロンドン以来のメダル獲得を目指したが、準々決勝の米国戦で延長の末に敗戦。W杯に続き8強で涙をのんでいた。

　池田監督は協会を通じ「就任してから2年11カ月、なでしこジャパンとして一緒に戦ってきてくれた選手、スタッフ、そしてサポートしてくださったパートナー企業の皆さま、温かく、熱く応援してくださったサポーターの皆さまに感謝の気持ちを伝えたいです。ワールドカップ、オリンピックという世界大会を通して、チームとしてできることを増やし、成長してこられたと思います。なでしこジャパンとしてさらに上に進み、選手と共にここから先の景色を見たかったです。なでしこジャパンがこれからも多くの人に勇気と感動を届け、子どもたちの夢見る場所であるよう願っています。ありがとうございました」とコメントを発表した。

　宮本恒靖会長（47）は「パリオリンピックでは優勝したアメリカに惜しくも延長戦で敗れ、ベスト8で大会を終えることとなりましたが、池田監督のマネジメントによりチームとしての結束が生まれ、厳しい戦いを勝ち切る姿を幾度となく見せてくれました。池田監督のもとで経験を積んだ選手たちが、これからの日本の女子サッカーをより発展させていってくれると信じています」と声明を出した。

　◇池田　太（いけだ・ふとし）1970年（昭45）10月4日生まれ、東京都小金井市出身の53歳。武南高から青学大を経て93年浦和入り。96年に引退後は浦和、福岡のコーチなどを歴任。17年から年代別の女子日本代表の監督を務め、18年にU―20W杯で日本を初優勝に導いた。21年10月になでしこジャパン監督に就任。座右の銘は「凡事徹底」。