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【甲子園】京都国際 攻守で活躍の長谷川は「第3の左腕」 夏は打撃専念で府勢19年ぶり決勝導いた

スポニチアネックス / 2024年8月22日 5時2分

<青森山田・京都国際>6回、適時打を放つ京都国際・長谷川(撮影・大城 有生希)

 ◇第106回全国高校野球選手権大会第13日・準決勝 京都国際3ー2青森山田(2024年8月21日 甲子園)

 京都国際(京都)が青森山田(青森)との準決勝を3―2の逆転勝利で制し、春夏通じて初めて決勝に進んだ。「5番・右翼」の長谷川颯(2年)が同点2点打と好返球の攻守両面で貢献した。京都府勢としては68年ぶりの優勝を懸け、23日午前10時から関東第一(東東京)との決戦に挑む。

 今大会5試合目で初めて立たされた劣勢。0―2の6回1死満塁で長谷川は1ボールから外角フォークを拾った。「食らいついていく気持ちでした。春は貧打線だったので…」。右前への一打で走者2人を還して同点。直後の投ゴロの間に決勝点を奪った。青森山田とは今春選抜1回戦で対戦し、関浩一郎の前に8回3得点。その“宿敵”が登場した6回、3安打を集めて鮮やかに攻略した。

 直後の守備では1死一塁から正面へ飛んできた右前打を処理し、遠投95キロの強肩を生かして三塁へ。「肩に自信がある。カットマンを通さずに、一人で絶対に刺そうと思いました」。低く強いツーバウンド送球。間一髪で一塁走者の三進を防ぎ、完全に流れを引き寄せた。

 春を迎えるまでは投手で、打撃練習の機会も限られていた。転機は今春選抜。打撃好調を買われて青森山田戦には「6番・右翼」に抜てきされ、適時内野安打を放った。実らず敗れた後、母・幸恵さん(48)に電話で伝えた。「悔しい。投手もやりながらでは厳しい。夏は野手に専念する」。年明け時点で家族に「投手でいくから」と伝えていた強い思いを抑え、雪辱のためにバットを振った。

 初めて集中した打撃練習でスイングスピードが向上し、積極性も増した。小牧憲継監督から「あとはチャンスで打つだけ」と求められ、初戦の7番から2戦連続で5番に昇格。「チャンスで打てる自信があった」。選抜では手の届かなかった落ち球を仕留めた殊勲打が、野手一本化の成果だった。

 投手として切磋琢磨(せっさたくま)してきた同学年の西村とは、宿舎で一緒のベッドで寝ることもあるほどに気心を許す仲。「アウトは確実に取るから思い切って投げてこい」と伝えた通り有言実行の好返球で救った。二枚看板に隠れた“3人目の左腕”が右翼で劣らない輝きを放った。 (河合 洋介)

 ◇長谷川 颯(はせがわ・はやて)2007年(平19)8月7日生まれ、京都府出身の17歳。小1から梅津北モンキーズで野球を始めて投手。中学では京都亀岡リトルシニアに所属。京都国際では1年秋から背番号13でベンチ入りし、甲子園には2年春夏と2季連続出場。50メートル走6秒1、遠投95メートル。1メートル71、70キロ。左投げ左打ち。

 ○…京都国際の小牧監督は、初の決勝進出に「選抜に負けてから青森山田さんに育ててもらった。選手の短期間での成長は凄い」と驚いた。初回に2点を先制されても「我慢比べで負けた春の悔しさを忘れたらあかんで。もう一回流れが来るから、絶対に慌てたらダメだ」と選手たちを落ち着かせた。21年夏に初出場で4強に進んだ阪神・中川勇斗からは試合前に「ぜひ僕たちを超えてください」と連絡が届いた。2度目の準決勝に勝利し、初優勝に王手をかけた。

 ◯…京都国際が21年の4強を超え、初の決勝進出。京都府勢の夏の決勝進出は05年準優勝の京都外大西以来19年ぶり14度目。京都府勢の前回優勝は56年の平安(現龍谷大平安)で、決勝戦は4連敗中。京都国際が初優勝すれば府勢68年ぶり。

 

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