阪神・大山 執念の2戦連発13号「これからは勝ちにつなげられるように」 8月の月間打率は3割まで上昇
スポニチアネックス / 2024年8月23日 5時16分
◇セ・リーグ 阪神2―5ヤクルト(2024年8月22日 京セラD)
阪神は22日のヤクルト戦に2―5で敗れ、連勝は2で止まった。敗戦の中にあって、5番・大山悠輔内野手(29)が、1点ビハインドの8回2死無走者で左越え13号ソロを放ち、勝利への執念を示した。これで4試合連続打点に加え、6試合連続安打、直近4試合3発。頼れる主砲は8月の月間打率・300(70打数21安打)と上昇気流に乗ったまま、きょう23日から、5ゲーム差で追う首位・広島との3連戦に向かう。
沈んでいた京セラドームの空気を変えた。大山だ。1点ビハインドで迎えた8回。3番からの好打順も、森下、佐藤輝が計5球で倒れて2死無走者。それでも声をからして逆転を期待する虎党の大声援に呼応し、希望のアーチを描いた。
「追いつく(こと)だけ(を考えていた場面)でしたし。そういう意味ではよかった」
ヤクルト3番手・大西が投じた初球、浮いたスライダーを一振りで仕留めた。打球は左翼席最前列へ向かい、2試合連発の13号ソロに姿を変えた。歓喜の大歓声を一身に浴びながら、ダイヤモンドを一周した背番号3。ただ、その表情は前日21日の初回、1点を先制してなおも2死二塁でサイスニードから2ランを放った時とは違った。ベンチに戻った際も、笑顔はなかった。
手放しでは喜べなかった。1―1の5回2死三塁の守備。村上が放った一塁線へのハーフバウンドの打球をはじいた結果、ボールがそのままスタンドに飛び込む適時二塁打となった。記録上は安打。それでも昨季ゴールデングラブ賞を獲得した名手は、責任を感じていた。この日、83日ぶりの1軍登板だった青柳を、主軸として援護できなかった悔しさがこみ上げた。それを力に変えて、生み出した執念の一撃だった。
主砲の一撃も勝利には結びつかず、チームは最下位のヤクルトに痛恨の敗戦を喫した。それでも4試合連続打点、6試合連続安打、直近4戦3発と好調を維持し、8月は月間打率・300(70打数21安打)となった。降格も経験した前半戦の打撃不振も、今は昔。すでに同じ8年目時点の掛布雅之(517)、岡田彰布(523)を超える534打点をマークしている猛虎の主砲。そのバットで勝敗を担う覚悟を示した。
「これからは勝ちにつなげられるように頑張ります」
巨人との首位攻防戦を勝ち越した首位・広島とのゲーム差は5に広がった。球団初のリーグ連覇に向け、きょう23日から敵地マツダスタジアムで戦う3連戦は、一つも負けられない。高校野球のような一戦必勝の戦いが続く、シーズン残り29試合。背番号「3」が、背中で猛虎を引っ張る。 (石崎 祥平)
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