橋下徹氏 斎藤元彦・兵庫県知事“おねだり”疑惑に「本質はそこではない…告発内容を調査すべきだった」

橋下徹氏

　元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏（55）が23日までに自身のSNSを更新。斎藤元彦兵庫県知事を巡る疑惑告発文書問題について言及した。

　兵庫県議会の調査特別委員会（百条委員会）が実施した県職員アンケートでは、斎藤氏が特産のカニやカキなどの贈答品を受け取っていたことを指摘する新証言が相次いだことが判明。きょう23日に中間結果として公表する。

　アンケートは7月31日～8月14日、全職員約9700人を対象に実施され、約7割が回答。300人以上が記名で答えた。関係者によると、中間結果（回答者4568人分）では、斎藤氏の贈答品受領を見聞きしたとする人の割合が20・7％（946人）だった。

　自由記述欄には、斎藤氏が“おねだり”して受け取ったさまざまな品目が書き込まれた。「出張先で知事や職員にカニのお土産を用意され、随行職員が固辞するとその職員の分も持って帰ったと聞いた」との回答が複数。「養殖業者から受け取ったカキを自宅に運ばせた」との情報も。「淡路島産のタマネギも大量に自宅に送らせた」との記述もあった。

　食品だけではなく、スポーツ用品メーカーが新開発したシューズを見て「その靴、欲しいです」と発言。しかも「白が欲しいです」と色まで指定したという。また、県北部の但馬地域に出張した際には、旅費規定を超える宿泊費用のかかる高級温泉旅館への宿泊を希望し、実際に宿泊したとの指摘もあった。

　斎藤氏は22日、鳥取県伯耆町であった関西広域連合の会合に出席。終了後に取材に応じ「県産品を個人で食べ、味わうことはあったが、あくまで県としての受領だ」と説明した。7月には斎藤氏が「ワインを、まだ私は飲んでいないので。この間はイチゴ、塩はあれですけど。また折を見てよろしくお願いします」などと求める音声が公開されている。

　百条委員会は30日に斎藤氏に対する尋問を行う。この“おねだり疑惑”についてどのように釈明するのか注目される。

　橋下氏は、「“知事が宿泊したのは事実”と『予算オーバーの高級旅館』　“おねだり疑惑”の兵庫・斎藤知事　アンケートに『“知事が泊まりたい”というので口利きをせざるを得ない状況』」と題された記事を引用し、「今出ている疑惑が真実なら褒められたものではないが、それでも国会議員の方がもっとひどい」とつづった。

　続く投稿では「国会議員たちの飲み食いや金の使い方のほうが酷すぎる。パワハラも今出ている疑惑が真実であっても組織的には人事異動のレベル。ただ知事の人事異動となれば行くところがなく組織から退出するしかないが。しかし本質はそこではない」と指摘。

　そして、「当初から、今後設置する予定の第三者委員会のようなもので告発内容を調査すべきだった。知事や副知事の疑惑について当の本人の知事や副知事が第三者調査前に嘘八百！公益通報の対象外！と判断をくだしたのは最悪」とし、「告発の真偽・信憑性の判断について利害関係者が関与できないのは当然のこと。それをいきなり当事者である知事・副知事が告発をつぶしにかかり、関連して職員が自死したことは知事が権力を手放さなければならない十分すぎる理由。知事は、コメンテーターや学者とは異なる権力者。民主国家日本において今回の斎藤さんのような権力行使は認めないという国民の姿勢が必要。国会議員に対しても」とつづった。

　さらに「国会議員のパワハラや金の使い方などについて、霞が関の役人にもアンケートを取るべき。国会議員のほうが酷すぎる事実が山ほど出てくるだろう。つい最近の北海道の国会議員も酷かった」としつつ、「ただ斎藤さんも脇が甘すぎる。城崎温泉に視察に行って、公費に私費を充てて一泊4万円の旅館に泊まるなんて僕の感覚ではあり得ない。仕事で行ったならビジネスホテル的なところで、どうしても公費で足りなければ私費を充てる。まあ税金や非課税の政治献金を使った国会議員の旅行はもっと豪華絢爛だが」と自身の見解を記した。