1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

【甲子園】“飛ばないバット”に対応し、6戦66安打24得点 京都国際の勝ち方とは

スポニチアネックス / 2024年8月24日 5時3分

<関東第一・京都国際> 優勝し喜びながら駆け出す京都国際ナイン (撮影・亀井 直樹)

 ◇第106回全国高校野球選手権 決勝 京都国際2-1関東第一(2024年8月23日 甲子園)

 タイブレーク10回、先頭の代打・西村一毅の左前打で無死満塁となり、1番・金本祐伍に回ってきた。「打席に入る時は自分が決めてやると思ったけど、続く打者もよく打っている」と頭を冷やし、ボールを見極める。3―2から低く外れた直球を選び、押し出し四球で決勝点を挙げた。続く三谷誠弥=写真=は右方向に打球を飛ばした。関東第一の成井聡が捕球すると、三塁走者の清水詩太(うた)は迷うことなくタッチアップ。本塁を陥れた。

 清水は「右に強い打球が飛ぶのは分かっていた。本来なら前に落ちる打球。関東第一さんもこっちの打ち方を分かって前に出ていたけど、思い切ってスタートしました」と話した。直前の投手交代の際に一塁手が三塁から回っていたことも頭に入っていた。想定通り中継がもたつき、2点目をもぎ取った。

 「右へ低く、強く」の意識は新チームになって徹底されてきた。冬のオフ期間には1日1000スイングをこなした。「全体練習で800。自主練習で200は振りました。選抜までは結果が出なかったんですが、春の近畿大会くらいから成果を感じるようになりました」と金本。三谷も「逆方向に強く打つことで打線がかみあうようになった」と実感する。

 新基準の低反発金属バットで飛距離はなくなったが、強く低いライナーを心がけた結果、京都国際打線は今大会6試合で計66安打24得点、チーム打率・324をマークした。相手投手へボディーブローを打ち込むように安打を積み重ね、投手に重圧を掛け続けた。

 「本塁打0」の優勝は、03年常総学院(茨城)以来21年ぶり。74年の金属バット導入後では3校目だが、新基準のバットにどのチームより対応した結果でもある。昨秋の新チーム結成後、公式戦30試合で本塁打0。京都国際は新しい高校野球の勝ち方を実践し、夏の頂点まで駆け上がった。 (千田 篤史)

 ○…京都国際が大会0本塁打で優勝。1974年の金属バット導入後では92年西日本短大付(福岡)、03年常総学院(茨城)に続く3校目。新基準の低反発バットが新たに導入された今年は春の選抜も健大高崎(群馬)が本塁打なしで優勝。春夏ともに本塁打なしの優勝は92年春の帝京(東東京)、夏の西日本短大付以来32年ぶりとなった。

 ◯…京都国際―関東第一の決勝は両チームともに打点付き安打(本塁打含む)なしで決着。夏の甲子園大会では、1992年の西日本短大付(福岡)―拓大紅陵(千葉)以来32年ぶり。ちなみに、いわゆる適時安打(本塁打含まない)なしで決着した決勝は12年の大阪桐蔭(大阪)―光星学院(青森)がある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください