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元世界王者の重岡優大が判定勝ちで再起「こんなんじゃ足りない」

スポニチアネックス / 2024年8月24日 18時57分

重岡優大(右)はサミュエル・サルバに右ボディーを当てる(撮影・亀井 直樹)

 ボクシングイベント「3150×LUSHBOMU vol.1」が24日、大阪府吹田市の大和アリーナで行われ、セミファイナルの48・6キロ契約10回戦は元WBC世界ミニマム級王者でWBC世界同級2位の重岡優大(ワタナベ)が10回判定3―0(97―93×2、96―94)で、WBO世界同級12位サミュエル・サルバ(フィリピン)を下し、再起した。

 ただ、勝利後のリングでも重岡はさえない表情だった。「勝ちとして(次へ)つなげられたのは最低限のこと。こんなんじゃ足りない。レベルアップしたところを見せないと。厳しい練習をすることは簡単。それをリングで出すのが難しい。練習したことを一発で出せる選手になりたい」と心境を説明した。その上で「今年は(弟の銀次朗と)重岡兄弟にとって、つらい年になった。来年は輝いてみせる。兄弟2人で世界チャンピオンに成り上がる」と力強く宣言した。プロモーターの亀田興毅氏がリングに登壇し「この男の根性を見てくれましたか!!胸が熱くなりました」と観衆に呼びかけ「次は世界タイトルマッチです」と再挑戦の機会を用意すると約束した。

 重岡は序盤から左ボディーストレートを何度も当ててリズムをつかみ、左右ボディーに左ストレートを織り交ぜて攻勢をかけ続けた。中盤以降に左右を振ってくる相手の右ストレートをもらう場面があったものの、そのまま押し切った。

 重岡優は今年3月に2度目の防衛戦でメルビン・ジェルサレム(フィリピン)に2度のダウンを奪われて判定1―2で敗れ、王座から陥落した。IBF世界同級王者だった弟の銀次朗(ワタナベ)も7月に防衛戦で1位ペドロ・タドゥラン(27=フィリピン)に9回TKO負けして陥落。兄弟でベルトを失った。優大は「もちろん負けは悔しかったし僕も弟も落ち込むところまで落ち込んだ。だが今は2人ともポジティブ。これも俺らに与えられた試練だと思ってこれを糧に強くなるしかない。壁を乗り越えて見える景色があると思ってすぐに切り替えられた」と前を向いている。

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