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ドジャース・大谷 日米初サヨナラ弾が「40―40」達成グランドスラム「一番の思い出に」

スポニチアネックス / 2024年8月25日 1時32分

<ドジャース・レイズ>9回、満塁サヨナラ本塁打となる40号を放る大谷(撮影・西尾 大助)

 ◇インターリーグ  ドジャース7―3レイズ(2024年8月23日 ロサンゼルス)

 本場のハリウッド映画でもつくれない劇的な結末だ。ドジャースの大谷翔平投手(30)は23日(日本時間24日)、レイズ戦で3―3の9回に日米通じて自身初のサヨナラ本塁打となる40号グランドスラムを放ち、メジャー史上6人目の「40本塁打、40盗塁(40―40)」を達成した。日本選手のサヨナラ満塁弾も初めて。4回に今季40盗塁目の二盗に成功。出場126試合目、チーム129試合目は、ともに過去最速で、史上初の同日快挙到達となった。

 スーパースター、千両役者…もうどの言葉も形容するには物足りない。大谷は同僚からウオーターシャワーを浴びながらホームに生還。4万5556人の「MVP」コールに左手で応え、直後のインタビュー中にはメジャー初アーチ以来となる歓喜の氷水を浴びた。

 「うれしいというよりホッとした。勝って、打てて良かった。ドジャースに来てから一番の思い出になった」

 同点の9回2死満塁。4回にイチロー以来、日本選手2人目の40盗塁の二盗を決め、快挙へ王手をかけていたが「そんな余裕はなかった」という。左腕ポシェの初球スライダーを強振。打球は右中間フェンスを越え、人さし指を突き上げた。「ユニバーサルスタジオ・ハリウッド・ナイト」でミニオンやフランケンシュタインなどハリウッド映画のスターが集結した中、「40―40」を劇的に決めた。

 8月は不振だったが「ここ数日は(球の)見え方が良かった」。残り33試合。年間50本塁打&50盗塁ペースに乗せ、史上初の「50―50」も射程圏に入り「数が増えれば、勝つ確率が高くなる。自分の数字が上がってくると同時に、チームが勝てるように」とにらんだ。

 40本塁打は自身3度目だが、21年の26が最多だった盗塁数を大きく伸ばした。打者に専念する今季はキャンプから走塁へ高い意識をのぞかせた。まずは、スピードスケートのスタートのように左腕を前に置き、二塁方向に重心を乗せてから走る新たなスタート法。クレイトン・マッカラー一塁コーチは「翔平はできるだけ速く加速するためにどんな構えがいいのか考えている」と解説。さらに右足を1足分後ろに下げたオープンスタンスでのリードも採用し、同コーチは「より直線的に二塁に向かって走れる」。パワーとスピードを両立した野手の理想を体現した「40―40」も、大谷にとっては「勝つための手段」。驚異の盗塁成功率90・9%は「まずは(アウトになる)リスクをしっかり考えて」と語る冷静な判断と練習のたまものだった。

 5連勝で貯金を今季最多25に伸ばした。「ポストシーズンに進出して、ワールドシリーズに勝つのが一番の目標。自分の数字はあとからついてくればいい」。昨季日本選手で初の本塁打王に輝いた屈指の長打力に、次の塁を狙う意欲と速さも上乗せし、メジャーの歴史にまた名を刻んだ。(笹田幸嗣通信員)

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