日韓「夢の対決」開催に尽力した室井昌也さんが仕掛けた数々の「本物」
スポニチアネックス / 2024年8月25日 8時2分
球宴第1戦の前日である7月22日、日本ハムの本拠地エスコンフィールドで「夢の対決」が実現した。日韓ドリームプレーヤーズゲーム。06、09年WBCや08年北京五輪など、国際舞台で激闘を繰り広げてきた宿命のライバル。そのレジェンドOBが一堂に介して試合を行った。
昨年10月の企画段階から加わり、開催に向けて尽力したジャーナリストの室井昌也さん(51)は「日韓の野球界にとっても大きな意義のある、とてもいいイベントになりました」と振り返る。
長く韓国プロ野球の取材を続けている室井さんは「やれることは全てやりました」。試合のチケットは韓国内でも販売され、日本への観戦ツアーも組まれた。そんな日韓のファンを満足させるための「仕掛け」の一つが、内野最前列に設置した応援席だ。韓国プロ野球独特の応援スタイル。現地と同じようにスピーカーなども準備し、応援団長、チアも韓国から「本物」を呼んで華やかな応援を演出した。
「現地の応援をそのまま持ってきました。日本のファンの方にも体感してほしかった。盛り上がりに寄与したと思いますし、みんなが満足する内容になったのでは」。さらにウェブサイトやパンフレットの選手紹介文を日本語、韓国語の両方で書き、開会セレモニーでは韓国側のレポーターも務めた。
当日は2万9192人の大観衆。7回制の試合は日本が糸井嘉男さんの逆転3ランで勝利し、66歳の誕生日だった原辰徳監督は「国を背負った選手たちは、ボールを目の前にするとすごいプレーをするのを改めて感じました」。09年WBCで侍ジャパンを世界一に導いた名将は感慨深げに話した。室井さんも「最初はみんな笑顔でしたが、試合が進むごとに“負けたくない”という思いが顔に出ていた」と日韓レジェンドOBの「本気」を肌で感じ取った。
最後は映画「フィールド・オブ・ドリームス」のように、両チームの選手が中堅フェンスに向かって消えていくような演出で試合を終えた。反響の大きい、大成功だったイベント。もちろん、これで終わりではない。「今回もすごいメンバーが集まりました。次は例えば韓国で開催するなど、続けていきたいですね」と室井さん。宿命のライバルの「物語」は、これからも続いていく。
(記者コラム・鈴木勝巳)
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