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【レスリング】メダリスト発案の交流会にファン500人集結 日本協会の“沈黙”に選手は危機感

スポニチアネックス / 2024年8月25日 22時12分

ファン交流イベントに出席したパリ五輪メダリストの(左から)日下尚、桜井つぐみ、高谷大地、(1人置いて)樋口黎、(1人置いて)元木咲良、清岡幸大郎

 競技のメジャー化、裾野拡大のため、行動を起こした。

 11日に閉幕したパリ五輪のレスリング日本代表メダリスト6人が25日、全日本学生選手権が行われた東京・駒沢屋内球技場で握手&写真撮影会を開催。約270組500人のファンが訪れる盛況ぶりに、男子フリースタイル74キロ級銀メダルの高谷大地(自衛隊)は「集まってくれた方に感謝したい。今回だけで終わらないように、これからも発信していきたい」と熱い思いを語った。

 代表最年長の29歳で発起人となった高谷が行動を起こした理由は、現状への危機感からだった。パリ五輪には13人が出場し、金8個を含む11個のメダルを獲得したレスリング日本代表だが、日本国内ではマイナー競技に甘んじ、競技人口も1万人前後と裾野が広いとは言えない。昨年12月の全日本選手権や今年5月の全日本選抜選手権でも会場は空席が目立った。そんな現状を変える好機がパリ五輪の大躍進だったが、日本協会のアクションは皆無だったという。

 「メダルを獲っても賞味期限は短く、2、3週間で忘れられる。選手たちで話し合い、環境を変えるために一歩踏み出そうということになった」とは高谷の弁。大会中から選手村の食堂などで顔を合わせるたびに議論を重ね、大会に合わせて交流会の開催を決定。すでに予定が入っていた選手を除き、全員が無報酬で2時間以上、立ちっぱなしでファンと笑顔で接した。

 男子フリースタイル57キロ級金メダルの樋口黎(ミキハウス)は「協会にケンカを売るつもりはない」と前置きしながらも、「理想を言えば僕たちは一競技者なので、結果にフォーカスすべき。広報活動やイベントを企画するのは選手(の役割)じゃない。もっと協会主体でやらないと」と訴える。財政不足、マンパワー不足で日本協会はじり貧。昨今は代表合宿も激減し、海外遠征では旅費の一部負担を強いられる現状を鑑み、選手自ら動くに至ったという。

 この日、大会視察に訪れた富山英明会長と話す機会があったという男子グレコローマンスタイル77キロ級金メダルの日下尚(三恵海運)は「どんどん意見を出してほしいと言われた。選手たちから意見を出して、日本のレスリング界を変えていきたい」と話す。日本のグレコ史上最重量での五輪王者となった日下をして、「生まれ変わって、またレスリングをやるかと考えれば、やらないと思う。努力の分、(金メダルを獲っても見返りが)返ってこない」という現状は、果たして変わるのか。

 全てを賭してメダルを獲得し、日本レスリングを空前の大躍進へと導いた選手の思いに、こんどは日本協会が応える番だ。

 ▼男子フリースタイル65キロ級金メダル・清岡幸大郎(三恵海運)新しいファンが増えればうれしい。こういうイベントを増やして参加したい。

 ▼女子57キロ級金メダル・桜井つぐみ(育英大助手)思ったよりも反響が大きく、レスリングを見たい人、やりたい人が増えてくれれば。(高知出身者として)地方でもイベントをやっていきたい。

 ▼女子62キロ級金メダル・元木咲良(育英大助手)たくさんの方のおかげでメダルを獲れたので、こんどは私が恩返しをしていきたい。

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