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【スポニチスカウト部(26)】健大高崎・高山裕次郎内野手 強肩&正確な送球&打撃力 光る万能性

スポニチアネックス / 2024年8月27日 6時2分

投手&外野手を経て万能内野手に進化した健大高崎の高山。強肩と精度の高い送球が光る

 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手の素顔を紹介する。第26回は健大高崎(群馬)の高山裕次郎内野手(3年)。初の日本一に輝いた今春選抜など3度の甲子園出場を果たした万能内野手は、9月にアジア選手権を戦うU18高校日本代表に選出された。

 2季連続の優勝を狙った今夏の甲子園では、2回戦で智弁学園(奈良)に1―2で惜敗。試合後、取材が行われる甲子園の控室ではナインのおえつが響いた。取材陣に囲まれた高山は「苦しいこともあったけど仲間たちがいたからここまで来られた。感謝しかない」。涙がこぼれぬよう、上を向いて言った。

 父は広島・高山健一スカウトで、東農大二(群馬)時代は二塁手として89年夏の甲子園に出場。兄・遼太郎(現富士大)も健大高崎で17年春に甲子園を経験した野球一家。1歳からボール遊びを始めて以来、家族の背中を追う日々が始まった。

 18年夏は健大高崎3年だった兄・遼太郎が、群馬大会決勝でライバル・前橋育英に敗れた。「4番・三塁」で戦った兄の姿を内野席で目に焼き付け「自分も挑戦したい」と同校への進学を決意。兄も「上につながる野球を学びたいのであれば選んだ方がいい」と背中を押した。

 入学後は投手、外野手としてプレーし、2年春の選抜は左翼手のレギュラーとして初の甲子園を経験。同年秋から本格的に二塁へコンバート。これが高山のプレーヤーとしての価値を高めることになった。柔らかなグラブさばきで遊撃手・田中陽翔(3年)と鉄壁二遊間を形成。また、投手経験が証明する強肩から併殺を成立させる送球の強さ、中継プレーでの送球の精度は高校生トップクラスだ。ともに2年半プレーした今秋ドラフト候補の捕手・箱山遥人(3年)も「高山が二塁手になったことで取り切れなかったアウトが取れるようになった」と絶賛する。

 広角に打ち返す打力を武器に3番を担うなど打撃力も申し分ない。今後は大学野球を経て、プロ入りを狙うことが濃厚。まずは「JAPAN」を背負い、世界相手に力を試す。(柳内 遼平)

 【記者フリートーク】

 記者は今年から動画撮影のカメラマンも兼任し、YouTubeにアマチュア野球選手、マネジャーら16本の動画をアップロードしてきた。超多忙になる地方大会直前、最後に撮影した「トリ」が高山だった。

 撮影当日、高山にあいさつをすると「自分に密着っすか?本当っすか?」と驚きの顔。日本一チームの「3番・二塁」を担い、今春の選抜後にはU18高校日本代表候補の合宿にも招集された逸材だが、おごるような態度は一切なかった。

 とにかく謙虚だ。「自分は他の二塁手より守備が劣っていると思う」と語っていたが内野ノックで好守を連発。2メートルの距離から大迫力の映像をビデオカメラに収めた。広島・菊池を目標に掲げるからこそ、自分の守備に「まだ判断が甘い」と納得しない。

 「自分の好きな球だけ打っていても勝てない」と打撃でも大人の考え。木製バットを使用するフリー打撃では常にコースに逆らわず「場面を想定した」打撃を徹底していた。

 練習開始から周囲がすっかり暗くなった下校まで密着。寡黙な男の凄さは、プレーが十分に語ってくれた。

(アマチュア野球担当・柳内 遼平)

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