甲子園春夏8度出場の旭川龍谷野球部に女性主将が誕生!小玉心主将「野球部の名に残る代にしたい」
スポニチアネックス / 2024年8月27日 5時4分
春夏計8度甲子園出場の旭川龍谷野球部に、女性の主将が誕生した。中学まで野球経験があり、マネジャーとして入部した小玉心(しん)さん(2年)で、視野の広さなど高橋健監督(52)をはじめスタッフ、選手の意見が一致した。1958年創部の古豪が、新体制で新たな伝統づくりに挑む。
甲子園を目指す伝統校に新しい風が吹いた。ノックの補助、遠征準備などをこなしながら、ノートを手にグラウンドを見渡す小玉主将の姿がある。「やるしかない。心の準備はしていたので、結果を残せるように頑張るだけ」と決意がにじむ。
37人と多い2年生の中でも自覚の強さ、視野の広さ、的確な発言は誰もが認めていた。高橋監督は「迷いはなかった。性別は関係ない。選手とはもう一つ違う目線で足りない部分を補ってくれる」と期待を口にする。運営を含めた小玉主将に加え、ゲームキャプテンに前代からマスクをかぶる藤原佑磨(2年)が就いた。小玉主将の存在で、藤原がグラウンドに集中できる利点も生まれた。
小玉主将の父・大輔さん(48)も野球部OBで、幼い頃から旭川龍谷の野球を見てきた。7月の北北海道大会では、当番校業務の傍ら出場校からチームづくりのヒントを探った。元選手とあり、練習試合では的確な声を飛ばす。練習中も手にするノートにはその日の目標や気づいたことなどを記し、練習後の選手ミーティングに生かしている。「選手ではないのでより周りが見える。全員に目を向けて、全員のことを平等に考えるのを心掛けています」。覚悟を決めた主将には、指導者に近い目線がある。
「主将」として9月11日の秋季大会旭川支部予選の組み合わせ抽選に臨み、同26日からの同予選は記録員としてベンチ入りする。来夏の甲子園を最終目標に、22年秋以来2年ぶりの支部突破に挑むチームのテーマは「乱気」。グラウンドで情熱を出し尽くす、甲子園出場時など往時の合言葉を復活させた。「より成長して、旭川龍谷野球部の名に残る代にしたい」。1、2年生部員56人の先頭に立つ主将は、前例のない道を全力で駆け抜ける。(竹内 敦子)
≪ゲームキャプテンの藤原も小玉主将に太鼓判≫ゲームキャプテンの藤原は「(小玉)心は責任感が強いし、上の代の時から発言してくれていて主将にふさわしい。監督と主将の話になった時に、自分も“心を主将にどうですか”と提案した」と話す。小・中学時代ともに主将経験があり、前代から捕手としてけん引する藤原は練習試合を含めて新体制に手応えを感じている。「自分たちの代はこれまで全道大会(出場)の経験がない。まずは(全道大会が行われる)札幌ドームに行って、そして優勝したい」と意気込んだ。
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