日本山岳会 K2滑落の平出和也さん＆中島健郎さん追悼「偉大な功績と精神…私たちの心の中で生き続ける」

中島健郎さん（左）と平出和也さん。平出さんのインスタグラム（＠official_kazuya_hiraide）から

　公益社団法人日本山岳会は、27日までに公式サイトを更新。パキスタンにある世界第2の高峰K2（8611メートル）で滑落し、救助打ち切りとなった、山岳カメラマンでクライマーの平出和也さん（45）と中島健郎さん（39）を追悼した。

　会長の橋本しをり氏は「中島健郎さんと平出和也さんという二人の偉大な登山家が、私たちのもとを去りました。国内外の報道で広く伝えられているように、二人はK2西壁未踏ルートを登攀中に滑落し、そのニュースは私たちに計り知れない悲しみをもたらしました」とコメントを発表。

　「彼らは、日本を代表するアルパインクライマーとして数々の偉業を成し遂げ、その功績は世界中の登山家から尊敬を集めてきました。中島健郎さんは、その生涯を通じて未踏峰への挑戦を続け、2017年には平出和也さんと共にシスパーレ北東壁の未踏ルートを登攀し、その功績で平出さんと共にピオレドール賞を受賞しました。その後も新たな挑戦を続け、2019年にはラカポシ南壁の新ルートからの登頂を成功させ、再び共にピオレドール賞を受賞するという輝かしい業績を残しました。平出和也さんは、アルパインクライミングにおいて独自のスタイルを確立し、卓越した技術と精神力で多くの難関ルートを突破してきました。また、山岳カメラマンとしても多くの作品を残し、その映像は登山の美しさと厳しさを余すところなく伝え、アルパインクライミングの世界に新たな視点をもたらしました」と、偉大な功績を称えた。

　そして「この二人の存在が日本山岳会のみならず、世界の登山界にとっても大きな財産であったことは言うまでもありません。二人の偉大な功績と精神は、これからの登山家たちにとって大きな指針となり、私たちの心の中で生き続けることでしょう。私たちは深い悲しみとともに、彼らが成し遂げた業績と、その歩みに対して深い敬意を表します」と悼んだ。