友成空 「鬼ノ宴」空前の1億回再生 オリコン新人部門5位 現役大学生、異例ヒット

「鬼ノ宴」が自身初の1億回再生を突破した友成空

　昨年末にメジャーデビューした現役大学生シンガー・ソングライターの友成空（年齢非公表）の楽曲「鬼ノ宴」が、サブスクリプション（定額聴き放題）で総再生回数1億回を突破した。新人ソロ歌手の楽曲が、大ヒットの基準とされる1億回を突破するのは異例。自身初の快挙に「初の突破です！みなさん本当にありがとうございます」と感激している。

　今年1月の配信リリースから、わずか7カ月での大台突破。「鬼」というタイトルから連想される不気味で恐ろしさもありながらどこか懐かしい古風なサウンドや、「始月曜日」を「はじまんでー」と読ませる言葉遊びなどが注目を集めた。

　広く知られるようになったきっかけは昨年末、自身のTikTokに「鬼ノ宴って曲作った」と1分強のデモ音源を投稿したこと。それから2カ月で再生回数は350万回を超え、今年1月にフルバージョンをリリース。口コミで曲が広がり、TikTok内で関連動画などの総再生回数が4億超を記録した。

　7歳からクラシックピアノを習い始め、10歳のころから1人で歌詞のないインストゥルメンタルなどの楽曲制作を開始。コロナ禍で退屈だった高校生の時に制作した音源を現在の所属事務所に送り、2021年3月にミニアルバム「18」でインディーズデビューを果たした。

　童謡や小説、友人との会話から思い浮かんだ話題に、自らの思い出や感情を付け加えながら楽曲制作を行う。情景が浮かぶ歌詞が話題を呼び、同世代を中心とした若者や音楽好きから多くの支持を集める。

　昨年12月にシングル「改札」でメジャーデビューし、今年5月までの半年間で4作品を配信リリース。上半期のオリコンのアーティスト別セールス部門新人ランキングでは5位に入った。上位5位までの中でソロは唯一で注目度は高まっている。「実感がないけど、次は“新人”じゃないランキングに入れるように、活動を頑張っていきます」とさらなる高みを目指していく。（高原　俊太）