ソフトバンク・モイネロ NPB史上初の100ホールド→先発で2桁勝利 小久保監督絶賛「想像以上」

＜ソ・オ＞10勝目を挙げたモイネロ（撮影・成瀬　徹）　　　　　　

　◇パ・リーグ　ソフトバンク3―1オリックス（2024年8月27日　みずほペイペイD）

　お立ち台でサプライズがあった。6回3安打1失点。先発1年目で2桁10勝に到達したソフトバンク・モイネロは、球場に元チームメートのデスパイネがいると知らされると「どこどこ？」と驚いた表情。視線の先に見つけると声が弾んだ。

　「さみしいよ～。メッセージないね」と8年目の左腕はすべて日本語で語りかけた。

　マウンドでは驚異の立ち直りだった。制球に苦しみ、初回は2死満塁から押し出し四球など3四球を与え、2回までに62球とKO寸前だった。ただ、2回に味方が逆転し「ストライクゾーンにどんどん、投げる」と吹っ切れる。以降6回まで走者を許さなかった。

　「好きじゃない」と言う中長距離の走り込みを増やし、体力面の不安を取り除いた。最近は登板前日、速いノックを受ける。「（モイネロは）球が速いので甘くなったら強烈なピッチャー返しがくる。ケガ予防」と中田投手コーチ。この日、規定投球回に到達できたのは、こうした努力の積み重ねでもある。

　球団の外国人左腕初の2桁勝利に加え、100ホールド以上を記録した後に先発での2桁勝利は球界初だ。小久保監督は「初めての先発チャレンジとしては想像以上」と絶賛する。キューバで現役を続けており、オフを利用して旅行で日本を訪れたというデスパイネも「先発経験がないのに、素晴らしい仕事をしている」と左腕を称え、強く抱き合った。（福浦　健太郎）