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阪神・井上 待望プロ1号 高卒5年目82打席目でついに 首位・広島と5差、絶望の淵で希望の光

スポニチアネックス / 2024年8月29日 5時18分

<D・神>6回、プロ初本塁打を放った阪神・井上(撮影・平嶋 理子)

 ◇セ・リーグ 阪神2ー3DeNA(2024年8月28日 横浜)

 阪神は28日、DeNA戦(横浜)で2―3の惜敗を喫した。4位とは1・5ゲーム差。連覇へ向けて苦境に立たされた中で5月18日ヤクルト戦以来となる先発出場を果たした高卒5年目の井上広大外野手(23)がプロ通算82打席目にして待望の1号ソロを左翼席へ運んだ。首位・広島、2位・巨人が勝利し、今季最大タイの5ゲーム差。絶体絶命の中で和製大砲が、チームに希望の光を照らした。

 絶体絶命の窮地で、井上の一撃がチームに一筋の光を照らした。

 「カウント球じゃないですけど、“それを仕留めないと結果は出ないよ”と(コーチに)言われていた。意識してやった中(での結果)だったので、良かった」

 1点劣勢で迎えた6回1死の第3打席。先発・東の初球、内角141キロの速球を一閃(いっせん)した。大飛球は左翼ポール際へ着弾。プロ通算32試合目、82打席目で飛び出した待望のプロ1号に「長かった」と率直な心境を明かした。

 今季に懸ける思いは行動に表れていた。今年3月のウエスタン・リーグ、広島戦で左肩を負傷。数日後に痛みが再発した。幸い軽症ではあったものの好調だった打撃練習は約2週間禁止の判断が下され、同時に初昇格も遠のいた。今年もダメなのか――。傷心したメンタルを救ったのは、兵庫県内のバッティングセンターだった。

 「バットを振っている時は嫌なことを忘れられる。大げさかもしれないですけど、今年ダメなら終わりという気持ちがある」

 自宅での夕食を終えた午後8時過ぎに決まって車を走らせた。球団トレーナーからの「スイング禁止」の最中でも、1回20球が出るマシン相手に平均15から20ゲーム、約2時間バットを振り続けた。「それで肩を痛めたら自己責任だと思って。高卒と言っても、もう5年目なので」。同じ外野では今季、開幕から2学年年下の前川が1軍にフルで同行し、1学年年上の野口も1軍で26試合に出場。自身は5月10日の今季初昇格から約2週間で2軍に降格した。それでも腐らなかった。「ここまでやって無理だったら仕方ない」。今ではルーティン化されたバッティングセンターの“夜間練習”で牙を研ぎ続けた。

 24日広島戦で死球を受けて欠場が続く前川の負傷がなければ25日の再昇格はなかっただろう。またビーズリーが体調不良で27日に出場選手登録を外れなければ、この日先発した村上の再登録に合わせ、2軍に降格する可能性が高かった。実質的な今季のラストチャンスで結果を残した。「チームのために1本でもヒットを積み重ねられるようにしたい」。首位・広島と今季最大タイ5差に広げられた。残り24試合でこの差はあまりに苦しい。それでも諦めるわけにはいかない。期待され続けた和製大砲が逆襲の旗印を務める。(石崎 祥平)

 ◇井上 広大(いのうえ・こうた)2001年(平13)8月12生まれ、大阪府出身の23歳。履正社では3年の春夏連続で甲子園出場。夏は大会3本塁打で初優勝に貢献。19年ドラフト2位で阪神入団。20年10月14日の中日戦に「7番・右翼」で先発しプロ初出場。22年はウエスタン・リーグで全110試合に先発4番でリーグ最多の96安打、同2位の11本塁打。今季5月10日のDeNA戦で初の5番起用。1メートル89、100キロ。右投げ右打ち。

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