西武 開幕17戦目やっと!!ロッテに勝った! うさ晴らし猛攻8点＆前日暴投失点の平良＆ボー零封リレー

＜ロ・西＞ロッテ戦の連敗を止めた渡辺監督代行（撮影・長久保　豊）

　◇パ・リーグ　西武8－0ロッテ（2024年8月29日　ZOZOマリン）

　やっと止めた。西武は29日、8―0でロッテ戦今季初勝利。プロ野球記録となった同一カードの開幕からの連敗を16でストップした。4安打無失点だった渡辺勇太朗投手（23）が、6回2死から右足に打球が直撃し緊急降板するアクシデントも、救援陣が無失点継投。引き分け以下ならクライマックスシリーズ（CS）進出の可能性が完全消滅する崖っ縁で、長いトンネルを抜けた。

　夏の終わりまでかかった。土砂降りの中、ロッテにやっと勝った。渡辺監督代行は水浸しのユニホームを引っ張り「触る？もうビッチャリだよ」と照れ隠しするようにおどけながら、勝利の会見に現れた。

　水に流されるわけではない。プロ野球ワースト記録となった同一カードの開幕からの連敗は16で止めたが「何とか1勝。本当に恥ずかしいこと。プロとして戦っている以上、あってはならない」と浮かれることはなかった。

　自身の「ナベQ」の愛称をほうふつさせる「ナベU」こと、渡辺が6回2死まで4安打無失点。だが右足に打球が直撃して緊急降板した。だがこのアクシデントで救援陣が奮闘。前日、8回に暴投で同点に追いつかれた平良、延長12回にサヨナラ暴投したボーを「早く忘れて。中継ぎ投手は次の日に挽回できる」という思いで送り出し完封継投で勝利をもぎ取った。

　平良は4―0の7回に登板し、1回1安打無失点。「中継ぎなら誰でもあること」と前日を引きずらず「足場が緩かったので気をつけた」と細心の注意を払いながらも直球は152キロを計測。ブラジル出身で日系3世のボーも8回に2安打され2死一、三塁としたが無失点で切り抜けた。

　3連戦の初戦だった27日の試合前。渡辺監督代行は練習を見つめながら「涼しくなったなー」と、朝晩の冷たい空気を感じていた。秋口になるまで1勝できなかった。「長かったな」と本音も漏らした。

　引き分け以下ならCS進出の可能性が完全消滅する崖っ縁で長いトンネルを脱出した。「まず1つ勝ったので、これからも一つ一つ勝つしかない。次に生きる一試合」。借りを返すロッテ戦はまだ8試合残っている。（神田　佑）