うつ病公表のサカナクション山口一郎「今“揺り戻し”の無限ループから抜けられなくて非常にしんどい」
スポニチアネックス / 2024年8月30日 12時8分
5人組ロックバンド「サカナクション」のボーカル・山口一郎(43)が30日、自身のインスタグラムを更新。体調について伝えた。
山口は22年5月に「帯状疱疹」と診断されたことを報告。同7月には極度の倦怠(けんたい)感や疲労状態などの不調が続いていたとして同月いっぱいの休養を発表し、バンドの全国ツアーをキャンセルした。
その後SNSを再開してラジオなどにも復帰。昨年10月からソロツアーを行い、そのファイナルとなった今年の1月のステージで、自身がうつ病であると公表。4月からサカナクションとして2年ぶりとなるアリーナツアーを開催していた。
また今月12日の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」を皮切りに、各地の夏フェスに出演。30日から開催の山梨・山中湖交流プラザきららでの野外フェスティバル「Sweet Love Shower」では、31日のトリでの出演が予定されている。
この日は「鬱病には『揺り戻し』という頑張れた一日の後にケチをつける副作用が存在する。今、フェスによる『揺り戻し』の繰り返し無限ループから抜けられなくて、非常にしんどい」と打ち明けた。
通院や慎重な行動を心がけるものの、「どうにも沼に足を取られて、濁った泥面に浮かぶ死んだ蝉のように、いつか沈んでしまうのではないかと怯えてしまう」と告白。「そんな寛解とは程遠い日常を過ごしている」と明かした。
さらに「これを伝えるべきか、しゃぶしゃぶの時に鍋底に沈み焦げつくマロニーのように、自分の中だけで秘匿しておくか悩むのだ。発信すれば誤解を生むし、黙っていても違う誤解のされ方をする。この病気を公表し音楽を続けていく事は想像より、しんどい事なのかもしれない」と続けた。
そしてSNSでの投稿を暗闇の中でのキャッチボールに例え、「安易で危険」とし、「当たりどころが悪ければ、相手の精神状態に致命傷を負わせる可能性があるのだ」と提言。ネットリテラシーについて説き、「人に優しくして損することなんてないのだから」と伝えた。
「ただ政治や社会構造について、国民の意見を発信する事は大事だ。しかしそれには知識が必要だが、多々ある意見や歴史、政策を精査し、自分の意見を積極的に発信すべきだと思う」と記した。
「しかし、僕というたかがミュージシャンが、この日本でそれを発信するとバカがバレるので、自分の思想を抽象的な表現や情景描写、定点観測をし、歌詞に混ぜ込むことしかできない。でも、それも文化の役割だと思っています」とつづった。
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