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渡辺九段、JT杯勝利で復帰戦を飾る 無観客開催に「初めて」5年ぶり4度目頂点へ準決勝進出

スポニチアネックス / 2024年8月31日 18時3分

渡辺明九段

 将棋の渡辺明九段(40)が31日、広島市で豊島将之九段(34)とのJT杯2回戦に臨み、88手で勝利した。27、28日に神戸市で、藤井聡太王位(22)=王将を含む7冠=に敗れた王位戦第5局。7番勝負は1勝4敗となり、昨年度失った名人位以来のタイトル復帰はならなかったが、復帰戦を豊島相手に飾った。

 対局は台風10号の影響で無観客開催となった。通常なら6000人収容の大規模会場が、両対局者と記録の2人、解説の山崎隆之九段(43)、聞き手の村田智穂女流二段(40)らだけによる実施となり、「こういったのは初めて。来場予定だったみなさん、残念だと思うけれど対局者は関係ないと思う」と渡辺、豊島は「(無観客開催は)残念ですが、全力を出し切って熱戦を見てもらえるようぶつかりたい」と意気込みを語って開始された。

 振り駒の結果、先手は豊島になり戦型は相掛かりへ進んだ。角交換の後、相腰掛け銀に進み、48手目、渡辺が6筋の歩を突いて戦いが始まった。直後、豊島が5段目へ右桂を跳ね出して反撃。渡辺陣へ放った角を馬にする間に、渡辺から左桂による反撃を受け、形勢を損なった。最後は44手目、渡辺が突いた2筋の歩が王の逃走ルートを確保し、豊島が勝ち目なしと判断して投了した。

 渡辺は王位戦第5局から東京へは戻らず、神戸から広島入りしたとみられる。次戦、10月12日に大阪市である準決勝へ駒を進めた。稲葉陽八段(36)との対戦へ向け、「引き続き、来月も頑張っていきたい」。19年度以来5年ぶり4度目の頂点も見えてきた。

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