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佐々岡真司氏 広島・玉村は完封を逃したがギアを上げても、力を入れるのはフィニッシュだけ

スポニチアネックス / 2024年9月2日 5時1分

佐々岡真司氏

 ◇セ・リーグ 広島5ー1ヤクルト(2024年9月1日 マツダ)

 【佐々岡真司 視点】玉村は惜しくも完封を逃した。7月30日のDeNA戦も8回まで無失点に抑えながら9回に3ラン被弾。意識があるのだろう。初回は村上を内角シュートと外角直球の2球で追い込み、内角シュートの3球勝負で空振り三振。しっかり打者の懐を突けていたし、緩急も効かせていた。淡々と投げた8回までとは一転、最後にギアを上げた9回は力が入りすぎた。

 彼の良さは、腕が遅れて出てくる独特のフォームで打者がタイミングを取りづらいところにある。ゆったり投げても球速以上の速さを感じさせる直球で打者を差し込むことができる一方、力みが出ると、投球フォームの最初と最後が同じになって打者も合わせやすくなる。

 優勝争いが佳境を迎える9月に入った。これからは「完封」ではなく「勝利」のため、もっとしびれる状況で投げないといけない。力むな…というのは難しい。ギアを上げても、力を入れるのはフィニッシュだけ。大事な試合でも変わらず持ち味を発揮できるように心と技をさらに磨いてほしい。(スポニチ本紙評論家)

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