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星田英利(旧芸名ほっしゃん。) 初小説「怒り湧き悲しみ感じた」 3日発売「くちを失くした蝶」

スポニチアネックス / 2024年9月2日 5時3分

小説「くちを失くした蝶」を持つ星田英利

 旧芸名ほっしゃん。の俳優・星田英利(53)があす3日、初の小説「くちを失くした蝶」(KADOKAWA)を発売する。貧困、ネグレクト、いじめに耐え抜いてきた女子高生が自らの命に向き合う姿を描く。「主人公と僕の共通点は、人にしんどいと言わないことですかね。どのキャラクターにも僕の成分が交じっています」と登場キャラクターを分析する。

 物語の原型を書き上げたのはコロナ下。家族と離れて暮らすことになり、一時は毎日死ぬことばかりを考えていたという。

 「精神状態もおかしく、経済的にも苦しかった。感情の起伏が全くなくなったんです。それこそ、亡くなる方の心電図のように平らな感じです。文章は子供と妻に対しての遺書のような気持ちで書いてた部分もありました」。

 そんな星田の感情を再び動かしたのが、書き殴るようにつづった文章たちだ。「自分で書いているのに、怒りが湧いたり、悲しみを感じることができた」と、書くことで感情を取り戻し、生きる力を回復していった。

 映像化が決まっているわけではないが、星田の中で演じてほしい俳優がいるという。

 「取られたら嫌なので、名前は言えませんが、声をかけている人はいます。仲が良いわけではないのですが、共演した時に仕事の取り組み方や芝居が好きになりました」。

 おぼろげながら映像もイメージしている。

 通常、芸能人の小説は、自身の体験を基にしたものが多いが、星田の作品は完全フィクションだ。「自分の経験は今後も絶対に書かない。文章で自分の過去を振り返るのは恥ずかしい」と独自のポリシーを語る。「僕から一個の肩書にハマりにいくことはない」と今後、小説家になるつもりもない。

 ただ「小説は自分の口で言えないことが言える。でも、この小説から全然伝えたいことはない。いろいろな受け止め方があるだろうし、感想を聞くのが楽しみ」と今後に期待を込めている。

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