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【元横綱・稀勢の里コラム】意識と相撲が変わり新入幕を果たした白熊 大の里と切磋琢磨を

スポニチアネックス / 2024年9月4日 7時3分

二所ノ関部屋の前で“シロクマポーズ”を取る白熊(撮影・前川 晋作)

 8月31日に福島県須賀川市で行われた白熊の十両優勝・新入幕祝賀会に出席しました。私も地元にはお世話になっていますが、故郷はいいですね。白熊は中学から新潟県に相撲留学したので思い出は少ないかもしれませんが、改めてありがたさを感じたのではないでしょうか。よりいっそう恩返しの思いは強くなったはずです。

 入門2年で白熊も新入幕を果たしました。春先はけがなどもあって2場所連続で負け越し。少し冬眠をしていましたが、名古屋場所では別人のような取り口で十両優勝しました。要因は本人の意識が変わったこと。見るからに稽古量は増えましたし、大の里が優勝したことでこのままではダメと奮起したようです。名古屋場所前の稽古も良かったですし、場所後もいつも以上に中身が濃い稽古をしています。

 納得のいく調整ができて自信もついたのでしょう。名古屋場所は初日以外は負けた相撲も含め、前への意識がうかがえました。受けるような相撲を封印し、自分の持ち味を発揮しました。力士としての長所は前に出る時の圧力の強さ。稽古場で三番稽古をした時にも痛感しました。加えて体の寄せ方、足の位置、かいなの返し方もいい。詰め将棋ではないでしょうけど、詰められて相手が「参りました」と降参するような理想的な攻めができます。

 白熊の成長は大の里にとっても大きなプラスです。日頃の稽古相手として申し分ない実力をつけました。今後ますます切磋琢磨(せっさたくま)していけると思います。秋場所前の稽古でも内容のある三番稽古をこなしています。

 地元からは新しい化粧まわしを贈られ、締め込みの色も「かちがえし」から「鉄紺」に替えました。新入幕のタイミングでもありましたし、私が決めました。色はいろいろ候補がありましたが、白熊の白い肌に合うと思い選びました。

 新入幕は相手がまだデータをインプットしていないアドバンテージもあり、活躍するケースが目立っています。どうしても相手に合わせてしまうような面もあるので自分のペースで取りきれるか。私は新入幕は9番だったので、そのうっぷんを晴らしてもらいたいところですが、大事なのは先を見据えた相撲を取ること。たくさん経験して日々悔いのない相撲を取ってほしいものです。 (元横綱・稀勢の里)

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