阪神・井上がとらほー!! 19年夏決勝以来1840日ぶり甲子園弾 高卒大砲ついに覚醒、先発2戦連発
スポニチアネックス / 2024年9月5日 5時18分
◇セ・リーグ 阪神9―4中日(2024年9月4日 甲子園)
阪神・井上広大外野手(23)が4日、本拠地・甲子園球場で初本塁打を放った。中日戦の初回無死一塁から左翼席へ打ち込み、初回先頭から6連打6得点の猛攻締め。高卒5年目でのプロ1号を記録した8月28日のDeNA戦から先発では“2戦連発”で2連勝に貢献した。前夜に続いて上位2球団がそろって敗れ、首位・広島まで3・5ゲーム差。また一歩近づいた。
胸元に「RISEI」のユニホームを身にまとい、甲子園球場のバックスクリーンへ打ち込んだ5年前の夏の決勝戦から1840日。井上が、それ以上の大歓声を一身に浴びた。
2点差を逆転した初回、なお無死一塁。打った瞬間に確信した甲子園1号は大きな放物線を描きながら左翼席へ。小笠原の内角低め146キロをフルスイングで打ち返した。
「風もレフトに吹いているのが分かった。一発で仕留められた。5年間、苦しんできた中での一本だったので良かった。高校野球とは違う大声援をいただいた」
先発出場に限れば8月28日のDeNA戦でのプロ1号から1週間で“2戦連発”。難敵東の直球を仕留めた前回と同様、第1ストライクを完璧に捉えた。
19年8月22日、甲子園大会の決勝で星稜・奥川(現ヤクルト)から一時逆転の3ラン。大会3本塁打で履正社を初の全国制覇に導いた夏の勇姿がファンの記憶に深く刻まれる。本人にとっての「甲子園の思い出」は違った。1回戦で同じ奥川に完敗した同じ年の春選抜。「その記憶が一番、残っている」。4番打者として2三振を含む4打席凡退。9回は投ゴロ併殺打で最後の打者になり、胸を躍らせて臨んだ聖地での時間は「一瞬だった」という。
「夏までに悩んでいる暇はない」と奮起。「甲子園で打たないとプロにはいけない」と打撃フォームを改良して打席に立つまでの考え方も精神面も強化した。「選抜がなければ今の自分はいない。プロにいってるかどうかも分からない」。悔しい敗戦こそが一回りも二回りも大きく成長する分岐点だった。
上位2チームが2日続けて敗れ、首位・広島とは3・5差。殊勲のお立ち台に森下とともに上がり「めちゃくちゃ最高です。必ず優勝するので応援よろしくお願いします」と約束した。高校野球のような一戦必勝が続く最終盤は残り20試合。和製大砲として覚醒の予感を漂わせ、猛虎の勢いをさらに加速させた。(石崎 祥平)
▽履正社・井上の19年夏の甲子園 全6試合に「4番・右翼」で出場し、1回戦の霞ケ浦戦では初回にソロ、3回戦の高岡商戦では6回に2ラン。決勝は選抜1回戦で敗れた星稜との再戦。3回に奧川から3ランを放つなど全6試合で安打。26打数10安打(3本塁打)、14打点、打率.385で初優勝に貢献した。
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