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12球団+メジャーが視察の「公立の星」がプロ挑戦決断 「エンジョイ勢」がドラフト候補に大変身

スポニチアネックス / 2024年9月5日 23時16分

菅(神奈川)の最速143キロ右腕・岩瀬将

 「神奈川公立の星」がプロ挑戦を決断した。菅(神奈川)の最速143キロ右腕・岩瀬将(3年)が近日中にプロ志望届を提出することが5日、分かった。

 エースとして挑んだ今夏の神奈川大会は3回戦敗退も、直球とスライダーのコンビネーションが武器で、既に12球団スカウトが視察済み。さらに将来性を見込んでメジャースカウトも視察に訪れたダイヤの原石は「育成指名OK」で10月24日のドラフト会議を待つ。

 元々、プロ野球、メジャーは無縁の世界だった岩瀬。中学時代は名もなき投手で、2学年上の兄・快さんと同じ菅に進学。公立校で部員が少なく、1年春からベンチ入りできるような環境だったが、。それでも入部早々につまずいた。中学よりも練習強度が高く「思った以上にキツい」と音を上げ、母に「やめていい?」と聞いたこともある。

 それでも出会いが岩瀬の「本気」を引き出した。昨春に平林明徳氏(現監督)が菅に赴任。1人で自主練習をしていた時に「岩瀬はプロ野球に行けるぞ」と声をかけられた。「何を言っているんだろう…」と不思議に思う感情、「うれしい」と感じる未体験の感情が複雑に交差し、そこから少しずつ練習に取り組む姿勢が変わった。昨秋には県外の強豪と練習試合をする機会に恵まれた。平林監督からは「人生を変えるターニングポイント」と背中を押され「エンジョイ勢がガチ勢にどこまで通用するか」と発奮。試合には敗れるも完投で14三振も奪い「野球の楽しさに気づいた」とハートに火が付いた。

 意識も変わった。昨冬には体重69キロが、学校に間食用のおにぎりを10個も持参し、年明けには人生で最重量の83キロに。磨けば光る投手としてのセンスに屈強な体が加わり、今春には143キロを計測。こうなればプロ野球のスカウトが放っておかない。実績は乏しいが、次々とグラウンドにスカウトが訪れた。

 今夏の神奈川大会では結果を出すことができなかったが、究極のダイヤの原石。プロ球団のトップクラスの練習、施設でその才能を伸ばせば「大化け」の可能性がある。運命の日にポテンシャルに懸ける球団があるか、注目だ。

 ◇岩瀬 将(いわせ・しょう)2006年12月7日生まれ、米国カリフォルニア州出身の17歳。米カルフォルニア州在住だった5歳時に野球を始める。幼稚園年長から川崎市に在住し、金程小では金程少年野球部に所属。金程中では軟式野球部でプレー。菅では1年春からベンチ入り。憧れの選手はドジャース・大谷。好きな言葉は「勝っても攻めろ」。

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