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高校侍・藤田 国際大会初先発で台湾斬り 出生直後の命の危機乗り越えたくましく成長 7日勝てば1位通過

スポニチアネックス / 2024年9月7日 5時2分

優勝候補の台湾戦に先発した藤田(撮影・柳内 遼平)

 ◇第13回U18アジア選手権・スーパーラウンド 日本1―0台湾(2024年9月6日 天母)

 高校日本代表は6日、スーパーラウンド1戦目で台湾を1―0で下し、1次ラウンドからの持ち越しの成績も含めて2勝0敗となり、首位に立った。国際大会初先発となった最速150キロ左腕の藤田琉生投手(3年=東海大相模)は、4回2/3を2安打無失点。零封リレーを演出し、大役を果たした。6回のワンチャンスを生かしたチームは1安打での勝利。7日の韓国戦に勝利すれば、1位通過が決まる。

 失点の許されない白熱の投手戦。優勝候補の台湾戦の先発を任された藤田が初回から飛ばした。149キロをマークした直球、爪を立てて投じるナックルカーブを駆使し、4回2/3を2安打無失点。「3年間やってきた粘りの投球が、ここ一番にできた」と胸を張った。

 5回途中で2番手・坂井にマウンドを託したが、勝利の立役者は最速150キロ左腕だった。「最初から投手戦と分かっていた。(相手が)強い中でも自分のピッチングができたことは成長」。零封リレーの流れをつくり、決勝進出にあと1勝。3人体制で視察したソフトバンク・永井智浩編成育成本部長は「甲子園から自信をつけ、落ち着いて投球ができるようになってきた」と高く評価した。

 グラウンドでは笑顔を見せないことから、高校野球ファンに「戦う顔」と称される藤田。多くを語らない寡黙な男は壮絶な幼少期を経て、世代No・1左腕に成長した。出生直後はRSウイルスに感染し、せきが止まらなかった。自力で酸素を取り込むことが困難になり、出産後25日の時点で医師からは「3日で死んでしまうかもしれない」と告げられた。別れを覚悟するよう伝えられた両親は、涙が止まらなかった。その後、劇的な回復を遂げ、一命を取り留めた。

 名は琉生。スポーツが藤田の生きる力を育んだ。出生時の危機を越え、幼稚園年中から水泳を始めた。小1から白球を追うとたくましさが増した。東海大相模では昨秋から「タテジマの背番号1」を託された。今夏は自身初の甲子園出場を果たし、ジャパンの一員に。快投した姿を三塁側内野席で観戦した母・賢枝さんは「信じられない気持ちでいっぱい。息子に感謝したいです」と成長を喜んだ。

 79球を投じたことから大会規定で中3日が必要となり、これが今大会最後の登板となった。「自分たちを信じて仲間と一球一球に集中したい」と藤田。恩返しはまだ序章にすぎない。(柳内 遼平)

 ◇藤田 琉生(ふじた・りゅうせい)2006年(平18)11月17日生まれ、神奈川県出身の17歳。小学1年時に羽鳥ファイターズで軟式野球を始め、羽鳥中では湘南ボーイズに所属し、3年夏に全国優勝。東海大相模では1年秋からベンチ入りし、今夏の甲子園ではベスト8入りに貢献。50メートル走5秒96、遠投100メートル。1メートル98、96キロ。左投げ左打ち。

 ▽スーパーラウンドの順位決定方法 スーパーラウンドに進出したチーム同士の1次ラウンドの対戦成績はそのまま持ち越される。日本は1次Rでフィリピンに勝利しており、通算2勝0敗で首位に立った。上位2チームが決勝、3、4位が3位決定戦をそれぞれ戦う。勝率が同率となった場合は(1)直接対決成績(2)TQB(得失点率)が大きいチーム(3)ER(自責点による得失点率)からTQBを引いた数が大きいチーム(4)直接対決の打率(5)コイントス――の順で決まる。

 ▼日本・小倉全由監督(1―0の勝利に)手に汗握っていましたよ。(勝因は)采配じゃなくて、やってくれた選手です。自分たちは送り出すだけです。

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