日本ハムがサヨナラ押し出し！北海道胆振東部地震から6年、特別な日に劇的勝利で3連勝

＜日・オ＞プロ初勝利の記念球を手に新庄監督（左）と写真に納まる柳川（撮影・高橋　茂夫）

　◇パ・リーグ　日本ハム3―2オリックス（2024年9月6日　エスコンF）

　北海道民、そして日本ハムにとって特別な日だ。18年に北海道で観測史上初の震度7を記録した北海道胆振東部地震から6年。今季7度目のサヨナラでファンに勝利を届けた新庄監督は「今は生活の一部として、笑顔を与えられるチームができている。勝ててよかった」と余韻に浸った。

　試合前、両軍ナインが黙とうをささげた一戦で“あの日”を経験した選手が奮起した。まずは発生当時は新人だった清宮だ。初回2死で遊撃へゴロを放ち全力疾走で内野安打。得点につながらなかったが、これで自己最長を更新する14試合連続安打とした。当時22歳の浅間は0―1の6回1死二、三塁で一時逆転の中前2点打。地震後のチーム初勝利だった18年9月9日の楽天戦でも決勝2ランを放った男が再び輝いた。

　札幌市内の合宿所で被災した当時、浅間は停電と断水の影響でろうそくの明かりで一夜を過ごしたといい「気持ちだった。こういう日は勝つことが一番」と胸を張る。同じく合宿所で不安な時間を過ごした清宮も「こういう日に勝てて良かった。忘れちゃいけない」と言葉に力を込めた。

　3連勝でリーグ優勝した16年以来、新庄政権最多の貯金14。3位・ロッテに4・5ゲーム差をつけた。CSに進出すれば地震が発生した18年以来。同年はファーストSで敗退し、翌19年以降は昨季まで5年連続でBクラスに沈んでいる。

　浅間は「負けられない日々が続くけど楽しんだ人間が勝てると思う」と目を輝かせる。チーム6年ぶりとなるCSにまた一歩近づいた劇的勝利。道民とともに、前向きに戦う。（田中　健人）