名伯楽フルゴーニ氏が日本代表GK鈴木彩にラブコール「直接、指導してみたい」具体的なトレーニング法も

8月31日のナポリ戦でプレーするパルマGK鈴木彩艶（AP）

　元イタリア代表GKブフォンの育ての親として知られる名伯楽のエルメス・フルゴーニ氏（76）が本紙のインタビューの応じ、日本代表GK鈴木彩艶（22＝パルマ）に「ぜひ指導してみたい」とラブコールを送った。

　鈴木彩については開幕3試合をチェック。「凄いポテンシャルを持っている」と称賛した一方で、「（パルマの）GKコーチにどんな指導をされているかも見ないといけない」と強調。ペッキア監督とともに福岡で指導した経験もあるパルマのバレリオ・ヴィスコンティGKコーチ（44）については「面識はない」ようで、「個人的にもトレーニングしたいね」と強い意欲を示した。

　フルゴーニ氏は過去、元日本代表の楢崎正剛、川島永嗣（現磐田）、権田修一（現J2清水）、沖悠哉（現J2清水）らを指導した経験を持つ。鈴木彩に対して行いたい具体的なトレーニングについては「テクニック、コーディネーション（脳の神経回路と体をつなげる能力）、つまりボールに素早く到達する能力だね」と強調。「身体能力が高くても、コンディネーションがなかったら、トレーニングしてもあまり変わらない。コーディネーションがあっても、身体能力が高くなければ、かなり苦労する。彼は身体能力ががかなり高いから、コーディネーションさえ高まれば、とんでもないGKになるよ」と力説した。

　13歳から指導したブフォンに関しては「彼も最初はコーディネーションはなかった。生まれ持った能力だけだった。元々、身体能力、身長、反射神経、学習能力は高かったからね。一つのことを教えたら、すぐに理解して自分のものにしていったよ」と回想。「鈴木も教えられたことをすぐに習得する能力があれば、ブフォンのレベルまでは言わないが、偉大なGKになれる素質はあるよ」と話した。

　◇エルメス・フルゴーニ　1948年2月3日生まれ、イタリア・パルマ出身の76歳。現役時代は42歳までプレー。90年にパルマのGKコーチ兼スカウトに就任し、13歳だったブフォンを発掘し世界屈指の守護神に育て上げた。セリエAではベローナ、カリャリでコーチも務め、14年にはFC東京のGKテクニカルアドバイザーも歴任。元日本代表の川島永嗣（現磐田）、権田修一（現J2清水）ら多くの日本人も指導。