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【玉ノ井親方 視点】隆の勝はケガ癒え主役候補の一人に 前に出る圧力は幕内でもトップクラス

スポニチアネックス / 2024年9月9日 4時33分

<大相撲 秋場所初日>豊昇龍を押し出しで破る隆の勝(手前)(撮影・五島 佑一郎)

 ◇大相撲秋場所初日(2024年9月8日 両国国技館)

 先場所の勢いは今場所も変わらない。名古屋で照ノ富士と優勝決定戦を争った隆の勝が大関を圧倒し、白星スタートを切った。左からの張り差しで出足を食い止めにきた豊昇龍の左脇が空いた隙を見逃さず、素早く右を差して一気に前に出て勝負を決めた。

 大関にすれば、相手の右頬を張って、顔を横に向かせ左を差す狙いだったろうが、その程度の張り手では今の隆の勝を1ミリたりとも止められない。逆に張り手を見舞った際に左脇が空いたところをつけ込まれてしまった。

 隆の勝は元々、前に出る圧力は幕内でもトップクラス。右膝のケガなどでしばらく当たりが影を潜めていたが、ケガが癒えたことに加え、差して前に出る相撲に磨きをかけパワーアップして復活してきた。横綱不在で三役陣の活躍に期待がかかる今場所は、幕内筆頭の隆の勝も主役候補の一人だ。 (元大関・栃東)

《隆の勝“すれ違い”奏功?》 隆の勝が大関・豊昇龍を浅いもろ差しからの速攻で破った。優勝決定戦に進出した先場所の勢いそのままに、先場所8日目から本割9連勝。「怖がらず前に出たのがよかった」と自信が取り口に表れた。場所前には豊昇龍から出稽古に来るよう誘われていたが、行った日に豊昇龍が境川部屋へ出向いており“すれ違い”に。そこで手の内を知られなかったことが功を奏したのか「稽古してたら(結果は)分からなかったかも」と笑った。

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