阪神・森下 打点王見えた!豪快弾でリーグトップの巨人・岡本にあと「2」、2年目戴冠なら71年門田以来
スポニチアネックス / 2024年9月9日 5時17分
◇セ・リーグ 阪神3-5ヤクルト(2024年9月8日 神宮)
阪神は8日のヤクルト戦(神宮)を3―5で落とし、連勝が5で止まった。完敗の中で気を吐いたのは、森下翔太外野手(24)だ。5点を追う4回1死一塁でバックスクリーン左へ反撃の13号2ラン。5試合連続打点でリーグ単独2位の66打点とし、同トップの巨人・岡本和まで2差に接近。ドラフト制以降ではセ界初となる入団2年目以内での「打点王」タイトルを視界に捉えた。上位の巨人、広島も敗れたため、首位まで2・5ゲーム差は変わらないまま、10日からは甲子園で勝負の7連戦。チーム、自身とも好相性の聖地から再発進する。
森下は、確かな足取りで三塁ファウルゾーンを歩いた。スタンドからは悲鳴にも似た激励や歓声が降り注ぐ。24歳の表情に笑顔はない。3回で0―5まで開いた差を、8回に2点差まで詰めながら、そのまま敗れ去った事実が何よりも悔しい。敗戦の責を負い、丁寧に言葉をつむいだ。
「先攻なので、初回というのは特に大事。大山さんにいい形でつなげていれば、展開はわからなかった」
初回1死一塁の第1打席で、遊ゴロ併殺打に倒れた。初戦、2戦目はその初回に先制適時打。虎党の誰もが期待した打球は、あえなく遊撃・長岡の正面へ飛んだ。タイムリーでなくとも、4番・大山に好機をわたせていれば――。この逸機で流れは相手に傾いた。2回に2失点、3回に3失点。序盤で試合の行方は決したが、意地と執念は失わなかった。
「点差もあったし、まずは走者をためることを最優先に考えた。0点でズルズルいくより、早く点を取って何とか流れを持ってこられたらよかったが、自分も含めて打線となって攻撃できなかった」
豪快弾にも満足感はない。4回1死一塁、高梨が投じたフォークを完璧に砕き、バックスクリーン左へ。13号2ランで5試合続けて打点を挙げ、今季66打点目とした。ヤクルト・村上を抜き、リーグトップの巨人・岡本和まであと2に迫った。入団2年目以内で「打点王」に輝けば、66年のドラフト制以降ではセ界初の快挙。球史に名を刻む可能性が見えても、森下の目には勝利しか映らない。
「勝つことだけにフォーカスしてやっているので。そこ(打点王)は見ていない」
一戦必勝を掲げる若虎にとって、激アツな1週間がやってくる。あす10日から、優勝争いのヤマ場とも言える甲子園7連戦。今季チームが勝率・640を誇り、自身も打率・308、5本塁打、30打点と好相性の聖地での戦いへ向け、背番号1は高らかに宣言した。
「ホームゲームが続くんで、何とか連勝できるように。きょうも勝ち切りたかったですけど、しょうがないので、切り替える」
後ろは振り返らない。逆転優勝による連覇の主役を担うべく、帰途に就く森下は前だけを向いていた。(八木 勇磨)
○…森下(神)が4回の2ランで今季66打点とし、リーグトップの岡本和(巨)68打点に2打点差の単独2位に立った。プロ2年目で最多打点のタイトルを獲得すれば、昨季3年目で初獲得の牧(D)を上回るスピード。71年2年目の門田博光(南海)以来で、ドラフト制以降(66年~)2人目の最速記録になる。なおセ・リーグで2年目以内の打点王は59年2年目の森徹(中)が最後。58年には長嶋茂雄(巨)が新人で打点王になっている。
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