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阪神「墓場に足」からのV 1964年残り10戦大洋との3・5差大逆転 岡田監督も記憶する歴史

スポニチアネックス / 2024年9月10日 5時17分

1964年、リーグ優勝を決めファンの声援に応える阪神の(左から)村山、藤本監督、バッキー

 獲物を追う虎は強い。阪神・岡田彰布監督(66)が記憶する逆転優勝の歴史がある。藤本定義監督に率いられた1964年は残り10試合の時点で3・5ゲーム差あった大洋(現DeNA)をラスト9戦9勝で追い抜いた。今年は残り16試合で2・5差。10日に始まる本拠地7連戦から新たな歴史が生まれるか。

 東京五輪イヤーの64年。阪神は残り10試合の時点で、首位・大洋に3・5差をつけられていた。新聞にも「阪神苦境」「残るは“奇跡”」の見出しが躍った。9月16日の中日とのダブルヘッダーでは1勝1敗で差は縮まらない。17日に大洋・三原脩監督は東京・世田谷の自宅で、巨人OBで近鉄監督を務めた千葉茂のインタビューを受けて事実上の勝利宣言を行った。

 「阪神はもう墓場に片足を突っ込んでいる。ウチは絶対有利だ。20日の阪神戦ですべてを決めようと思っている」

 今なら炎上必至の発言。当時はストレートな表現も許容されていた。20日の大洋―阪神の直接対決前の時点で3・5差は変わらず、阪神は残り7試合、大洋は6試合。それでも藤本監督は「まだ射程距離内に大洋はいる」と鼓舞した。

 20日の川崎でのダブルヘッダー直前にはエースの村山実が突然の家庭の不幸に見舞われるニュースが流れ、2戦目の先発を外れた。騒然とする中、選手は集中した。初戦でバッキーが完投勝利し、2戦目も同点の8回に敵失に絡んだ好機から勝ち越してバッキーの連投で逃げ切り。残り5試合で1・5差。「無欲の勝利だ。これで面白くなった」と藤本監督は追う側の強みを強調した。

 大洋は23日に巨人とのダブルヘッダーに連勝し、残り2試合で2・5差。マジック1で26日に甲子園でのダブルヘッダーを迎えた。阪神は初戦にまたもバッキーが完封で5―0勝利。2戦目も同点の8回2死満塁から暴投で逆転。直接対決4連勝を飾り、残り3試合で0・5差と息を吹き返した。藤本監督が「これで気を緩めたらいけない。一試合一試合、大事に戦うだけ」と引き締め、残り3戦3勝。終盤の9連勝で最終戦に優勝を決めた。

 父・勇郎さんの影響で阪神を応援していた少年時代の岡田監督は「采配がどうとかでは、まだ見てなかったけどな」と言いながら、勝利への猛虎の気迫を感じていた。今年7月には阪神監督として歴代最多だった藤本監督の514勝を超えた。岡田監督も追う強みを信じている。 (鈴木 光)

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