カブス・今永 ドジャース・大谷を無安打斬り!7回3失点で13勝目 ダルの言葉胸に「力が出た」
スポニチアネックス / 2024年9月12日 1時33分
◇ナ・リーグ カブス 6―3ドジャース(2024年9月10日 ロサンゼルス)
アドレナリンは全開だった。カブス・今永がドジャース・大谷を3打数無安打に抑えるなど7回3失点。打線が8回に5得点で逆転して13勝目を手にして「7回までマウンドに上がったことが、(白星を挙げた)一番、大きな要因」と誇った。
勝利へ向け、避けて通れない相手がいる。1番・大谷だ。初回は初球の外角高め直球で遊飛に斬り、ベッツ、フリーマンも含め「MVPトリオ」をわずか4球で3者凡退。2度目の対戦は1―1の3回無死一、二塁だった。「一発は避けなければ」と慎重にスライダー3球で2ボール1ストライク。4球目に直球を選択しようとしたが「僕が直球を投げたい時は相手も直球が来ると思う。一番(打たれる)確率の低い球を」とまたもスライダーを選択した。打球速度110マイル(約177キロ)の痛烈な当たりが幸いして一ゴロ併殺。投げる哲学者らしい、考え抜いた配球だった。
5回もスライダーを2球続けて右飛。フェンス際まで飛ばされ「本塁打になってもおかしくないフライ」と大谷のスイングスピードの速さに脱帽したが、4月に2打数無安打に抑えた相手を3打数無安打。「彼は球場の雰囲気をたった一打席で変えられる力がある。今日は雰囲気を変えさせない打席で助かった」と汗を拭った。
昨春WBCで共闘した大谷との対戦や、山本との日米通じて初の投げ合いを前に緊張し「恐怖心があった」という今永。心を落ち着かせたのが、昨春WBCで共闘したダルビッシュ(パドレス)の「素晴らしい選手と野球をやると自分の中のリミットが外れて自分の知らない力が出る瞬間がある」という言葉だ。「まさにドジャース打線を抑えるために力が出た」と感謝する。
「素晴らしい投球にも引っ張られた」と復帰登板の山本にも感謝した今永。言葉は謙虚でも、スター軍団への89球には意地とプライドが込められていた。(笹田幸嗣通信員)
≪1年目日本選手貯金10以上なら初≫今永は13勝3敗として貯金10に到達。これまでメジャーの日本投手で貯金10以上でシーズンを終えたのは02年のドジャース・野茂英雄(16勝6敗)、08年のレッドソックス・松坂(18勝3敗)、16年のヤンキース・田中(14勝4敗)の3人で3度しかなく、渡米1年目で達成となれば初の快挙となる。
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