“紀州のドン・ファン”事件初公判 清原博弁護士が判決の分かれ目指摘「きっちり答えないと無罪に」

東京・赤坂のTBS社屋

　国際弁護士の清原博氏が12日、TBS系「ゴゴスマ～GOGO！smile～」（月～金曜後1・55）にリモートで生出演し、18年5月に“紀州のドン・ファン”と呼ばれた和歌山の資産家・野崎幸助さん（当時77）を殺害した罪に問われている元妻の須藤早貴被告（28）の初公判について解説した。

　須藤被告は、野崎さんに対し何らかの方法で口から致死量の覚醒剤を摂取させて殺害した罪に問われている。黒ワンピース姿で出廷した被告は、罪状認否で「私は社長を殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません。無罪です」と述べ、起訴内容を否認した。

　須藤被告は当日、野崎さんと二人きりにある時間があったが、犯行を立証する物的証拠はほとんど上がっていない。この日の初公判で検察側は、須藤被告が「完全犯罪　薬物」「老人　完全犯罪」とったワードや、相続税などに関する疑問を検索していたとする証拠を示した。

　清原氏は「状況証拠を積み上げるしか有罪立証をできませんので、いろんな証拠を出していって、早貴被告が覚醒剤を飲ませて殺害したということで、関わり合いがある検索ワードをすべて示したということですよね」と解説した。

　また検察側は、須藤被告が麻薬密売人と接触した疑いがあるとしたが、清原氏は「仮に覚醒剤を入手したとしても、それを他人に、しかも致死量に至るだけの大量の覚醒剤を口から飲ませる。かなり難しいんじゃないか」と指摘。「覚醒剤というのは苦みがありますから、すぐに気づかれてしまう。気づかれずにどうやってこの大量の覚醒剤を他人に飲ませるのか、疑問が残る。それを検察側が解消というか、きっちり答えないと無罪になってしまうだろうと思いますね」と、有罪判決へは厳しい道のりになると推測した。