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シニアが気になる病気…糖尿病、高血圧、動脈硬化を引き起こす7つの危険を回避せよ

スポニチアネックス / 2024年9月13日 5時3分

心臓、血管の病気予防について天野篤先生に教えていただきました

 【生島ヒロシ オヤジの処方箋】芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(73)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は、中高年が特に注意すべき血管と心臓の病気のきっかけとなる「日常に潜むキケン」をチェックしていきます。

 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。厳しい残暑が続いてますね。体調管理しっかりやっていきましょう。

 先ごろ、順天堂大学医学部の心臓血管外科特任教授、天野篤先生が「60代、70代なら知っておく 血管と心臓を守る日常」(講談社ビーシー)という本を出版されました。我々シニアが気になる、糖尿病、高血圧、動脈硬化など、みんな血管と心臓の病気に関わる問題。今日は、そうならないためのヒントと、日常生活に潜んでいるリスクについて天野先生に教えていただきましょう。

 「人間は交感神経が慢性的に活性化すると高血圧になり、動脈硬化につながります。高血圧の人は全体の50%ぐらいですが、交感神経は万人が持っているもの。365日、心臓に負荷がかかり続けることになるわけです。交感神経が優位になるのは、けんかでイライラしたり、仕事でストレスを感じたり、そういう時というイメージがありますが、高齢者にとっては白内障で見えづらい、難聴で聞こえづらい、便秘などもストレスになり交感神経を刺激します。その結果として血管がダメージを受けます。難聴の人は心筋梗塞になりやすいというデータもあるほどです。自律神経のバランスを整えるには、睡眠、食事、排せつの3つが大切。この3つを適正にコントロールする生活を送ってください。スムーズな排せつへ腸内環境を整えるには、乳酸菌、酪酸菌などの追加が有効です。食品からは十分に摂取できないので、サプリで補うのが効果的です。ただ便の回数が増えてしまう人もいるので、摂取には主治医、薬剤師と相談することが必要です」

 「かむ力が弱い人は心臓疾患になりやすいという研究報告があります。かむ力が弱くなる原因となる歯槽膿漏(のうろう)などの慢性炎症があると、動脈硬化につながると考えられています。歯周病菌は血管内にプラーク(脂肪性沈着物)を発生させるのに関与していると言われており、そのプラークが剥がれ、血栓となって詰まれば、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まります。“かんだ”という情報が脳に伝わると副交感神経が活発になるので、しっかりかめる状態でいることが大事なのです」

 「動脈硬化の最大の原因は高LDLコレステロール(悪玉コレステロール)による脂質異常症。脂質には、LDLコレステロール、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、中性脂肪の3つがあり、どれか一つでも基準値から外れると脂質異常症となります。日本では現在、脂質異常症をはじめ、糖尿病、高血圧など生活習慣病の人が急増。若い世代での発症も増えており、生活習慣病も遺伝子が関係していることが分かってきています。“スタチン”などのコレステロール降下薬を使って、早めにコレステロール値をコントロールすることが大切です」

 「トイレは、夏でも冬でも血圧が急激に変化することがある場所です。便を出そうといきむと瞬間的に最大血圧は上昇しますが、その後、排便してホッとすると副交感神経が優位になり、脈が遅くなって心臓に流れる血液が減ります。そうすると高かった血圧が急激に下がる。ここでトラブルが起こるのです。心臓、血管には急激な血圧の変化が悪影響を及ぼします。生活習慣病がある人は特に、トイレは血圧の乱高下が起こりやすい場所、と意識してください」

 「薬の多剤処方、長期処方には注意が必要です。6種類以上の薬を飲んでいる人は、副作用の発現率が10%を超えるという報告もあります。現在は、特別に90日まで薬の処方が認められています。3カ月ですから、その間に体に何らかの変化が起きることも考えられます。ある薬が別の薬の作用を強めてしまうこともあります。特に違う診療科にかかって個別に処方を受けた場合には医師、薬剤師の確認が必要ですが、特に血液サラサラの薬を服用中の方が抗生物質や解熱鎮痛剤を追加処方された場合には、効き過ぎによるトラブルも起こるので要注意です。通常は薬剤師がお薬手帳でチェックしますが、漏れてしまうこともあります。薬は最初の投薬から2週間後に、副作用が出ていないか血液検査をすることが望ましいのですが、必ずしも行われていません。患者さんから“2週間後に血液検査をしてください”“2カ月後に来るので体の状態を見てください”など、医師に働きかけることが大切です」

 「湿布薬はよく処方されますし、ドラッグストアなどでも簡単に手に入ります。使っている方も多いと思いますが、良く効いている場合ほど腎臓に負担がかかっているということを知ってください。湿布薬は、市販のものも含めて血圧上昇を招く成分が入っていることもあります。多用すると降圧剤の効き目が弱くなることがあり、心筋梗塞、大動脈解離など心臓疾患を発症するリスクが高くなる可能性もあります。心臓にトラブルがある人は、安易に湿布薬を使わない方がいい。“1日2枚まで”と用法が書かれていると思います。この上限は守ってください」

 「筋肉からは血管を成長させるホルモンが出ると言われています。新しい血管ができるわけです。結果として、動脈硬化、心臓疾患を防ぐのにつながります。高齢になれば筋肉を増強・維持するための運動量は減っていきますし、コロナ禍でもかなり減りました。筋肉の増強・維持のために腹式呼吸をお勧めします。腹式呼吸は横隔膜を動かします。横隔膜には結構な筋肉量があるので効果的です。また腹式呼吸は一度に吸う空気の量が多いので、肺に血液がどんどんと送られ血流が良くなり、心臓も活発に動きます。腹式呼吸には心臓突然死の予防効果もあるとされています」

 胃が、腰がと言っても、結局は全身を巡っている血管に関係ありますもんね。その血管や心臓に負担をかけるリスクが日々の生活のあちこちにあることも分かりました。どれも気をつければ避けられることばかりです。腹式呼吸の一例も載せておきますね!

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の73歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。元為替ディーラーで経済評論家の岩本さゆみ氏との共著「日本経済 本当はどうなってる?」(青春出版社)が販売中。

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