巨人・阿部監督 「スパっと」決めた神采配 守護神・大勢を8回2死一、二塁で投入し回またぎS

＜広・巨＞8回途中のピンチで大勢の登板を告げる阿部監督（右）　（撮影・西川祐介）

　◇セ・リーグ　巨人5－0広島（2024年9月12日　マツダ）

　迷いはなかった。巨人の阿部監督は3―0の8回に3番手のバルドナードが四球を与え2死一、二塁とすると抑えの大勢を投入。「昨日の試合を見て一つの四球が致命傷になる時がある。スパッと代えた」。右腕も期待に応え末包を投ゴロに抑えた。

　通算3度目、今季初の回またぎ登板。勝負の9月へ、指揮官は中継ぎ陣に3連投解禁と回またぎの可能性も伝えていた。9回も続投して簡単に3者凡退で回またぎでは初となる25セーブ目。「打席が回ってくるかな、と思ったら7番に入ってた。やられたなと思いながら投げた」と冗談を飛ばす余裕も見せた。

　阿部監督は「静」と「動」を使い分けて3連勝をつかんだ。2番に坂本、5番にモンテスを起用する新オーダーに加え、10日の初戦は5回1安打無失点の菅野に6回に代打・秋広を送る積極采配。前日は9回無死一、二塁で坂本を信じて強攻策で満塁と好機を広げ、その後の一挙9得点を呼んだ。優勝マジック点灯は近い。指揮官は「選手が応えてくれた」と目を細め「その日、その日、勝つためにみんなで頑張りたい」と次戦を見据えた。（小野寺　大）