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阪神・秋山 最後の目標は“前人未到”のファーム最多1000投球回「クリアさせてくださいと」

スポニチアネックス / 2024年9月14日 5時16分

鳴尾浜でノックを受ける阪神・秋山(撮影・中辻 颯太)

 阪神は13日、秋山拓巳投手(33)が今季限りで現役を引退することを発表した。近日中に会見を開く。15年のキャリアに終止符を打つことを決めた右腕はこの日、鳴尾浜球場で取材に応じ、決断に至った理由などについて言及。その上で、残り2回1/3に迫る2軍戦の通算1000投球回到達で有終の美を飾り、タテジマのユニホームに別れを告げることを明かした。

 涙はなかった。秋山は、引退を決断した理由を問われると、真っすぐに前を向いて言葉を紡いだ。

 「開幕前から今年ダメだったらっていう気持ちでやってたんで。膝の状態も良くなりそうにないし、というのが一番ですかね」

 18年に手術した右膝の状態が最後まで上向かなかった。「術後から一回もすっきりすることなく」と苦悩を明かしながらも「ただ、手術してなかったら多分もっと早く(現役生活が)終わってたんで、手術してからも頑張れた」と悔いは残っていないとも明かした。

 この日は、鳴尾浜球場での2軍全体練習に通常通り参加。今年1年ともに汗を流した若手投手陣には「結果の世界なんで頑張って上(1軍)でやらないと、こうやって野球できなくなるよ」と別れのあいさつに激励の意味もしっかり込めた。

 矢野前監督、金本元監督にも引退を報告。原口、岩崎ら同じ91年生まれの同僚には前夜、LINEのグループ通話をつないで会話した。海の向こうからも、20年からの3年間、ともにプレーしたガンケルから「アキ、引退おめでとう!」とねぎらいのメッセージが届いた。

 キャリア最後の目標は“前人未到”の領域だ。「ちょっとわがまま言って、頑張ってきた証じゃないですけど。そこをクリアさせてくださいっていうことで(登板機会を)2回もらいました」

 ここまで、NPBが集計する1991年以降では歴代最多の2軍通算997回2/3を投げており、残り2回1/3で1000投球回に到達する。残り2度の登板機会が予定され、次回は20日からのウエスタン・リーグ広島戦(由宇)の先発が濃厚だ。

 「最後まで、今まで通り頑張ろうかなと思ってます」。午後からはサブグラウンドでのゴロ捕球練習に取り組むなど、引退は決まっても、最善の準備は怠らない。志は高いまま有終の美を飾る。(遠藤 礼)

 ▼阪神・和田2軍監督(現役引退の秋山が)入団した時から見ていたが、投げることに関しての「求道者」。制球力や緩急、いろんなものを使って打者を打ち取っていた。お疲れさまと言いたい。

 ◇秋山 拓巳(あきやま・たくみ)1991年(平3)4月26日生まれ、香川県出身の33歳。西条(愛媛)では3年春、夏に甲子園出場。09年ドラフト4位で阪神入団。新人の10年に9月12日のヤクルト戦で無四球完封など4勝。17年は自己最多12勝。1メートル88、101キロ。右投げ左打ち。

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