来日初勝利の阪神・ゲラは担々麺好き 練習合間に発音練習「タンタンメン、タマゴトジ、クダサイ」

＜神・広＞9回、秋山を遊ゴロに打ち取ったゲラ（撮影・須田　麻祐子）

　◇セ・リーグ　阪神4―3広島（2024年9月14日　甲子園）

　阪神のゲラが来日初勝利を挙げた。同点の9回に登板。先頭・末包に左前打を許してから1死二塁のピンチを招いた。ここで二俣を158キロ直球で空振り三振。秋山の初球の前にボークを犯して2死三塁としても、表情を変えない。2球目の160キロで、メジャーも経験したベテランの好打者を遊ゴロに。味方のサヨナラ勝ちを呼んだ。

　「ヒットとかボークとかいろいろあって三塁まで行かれたけど、より集中して、とにかく3つのアウトを取る、ゼロで抑えるということが一番大事だと思っていた。それができたので良かった」

　前回登板の11日DeNA戦は、8回に桑原に決勝ソロを浴びた。4敗目を喫した悪夢を払拭すると、その裏に中野が劇打を放ち勝ち星が転がり込んだ。水が入ったペットボトルを手に、大はしゃぎでベンチを飛び出て、サヨナラ勝ちの喜びを仲間と分かち合った。

　「ああやって少年の心のようにはしゃげたので楽しかった」

　律義な性格が活躍の要因かもしれない。お気に入りの日本食は担々麺。そのまま食べると辛いため、卵をとじて食べるのがパナマ出身の右腕流で、ホームだとクラブハウスで試合前に食べる。食堂で通訳を介さずに注文できるよう、練習の合間に救援陣を相手に「タンタンメン、タマゴトジ、クダサイ」と発音練習をするところが、真面目さの表れだ。28歳。年上にも年下にも「サン」を付けて呼ぶ謙虚さで、仲間からも信頼を得ている。

　6月の約2週間の2軍調整を経て状態を上げ、7～8月にかけて20試合連続無失点を記録した。26ホールド、12セーブ。登板順不問の頼もしさで、虎を支えている。　（倉世古　洋平）