やり投げ・北口榛花が凱旋 水泳&バドトレ導入で来年9月の世界選手権V2狙う
スポニチアネックス / 2024年9月17日 4時47分
陸上女子やり投げの北口榛花(26=JAL)が16日、今季の全日程を終えて、金メダルを獲得したパリ五輪後初めて帰国した。羽田空港近くのJALの施設で記者会見し、連覇の懸かる来年9月の世界選手権(東京・国立競技場)へ向けて、幼少期に慣れ親しんだ水泳&バドミントンを取り入れた強化プランを披露。最大の持ち味である柔軟性をさらに磨き、まずはアジア記録67メートル98の更新を目指す。
欧州で激動の2カ月半を過ごした北口が、やっと日本に戻ってきた。14日にベルギー・ブリュッセルでダイヤモンドリーグ(DL)ファイナル連覇を達成したばかり。国内で凱旋試合の出場も可能だったが「もうちょっと無理そう…。疲れちゃったんで、いったん休んで充電期間に入りたい」と今季終了を宣言した。
競技人生の最大の目標だった五輪金メダルを成し遂げた。だが、意外にも「ひたすら悩み続け、もがき続けたシーズン」と総括。「今、女子のやり投げの世界のレベルが低いからこそ勝てた」と語った。心技体のそろった状態をつくり上げられず「過程は難しいことが多かった。良い勉強」と振り返った。
来季は「アジア記録(67メートル98)をまず更新したい」と目標を設定した。五輪女王の称号を手にしたが、自身の日本記録67メートル38は世界歴代21位と物足りなさがある。「しっかりきれいに投げられれば68メートルくらいまではすぐ飛ぶ」自信はある。パリ五輪期間中は歴代5人しか到達していない70メートルを飛ばす夢を見ており「想像できるものになっただけで記録に対しては前よりも近づいた」と言い、正夢に変える意気込みだ。
オフは幼少期に取り組んでいた水泳やバドミントンの練習を本格的に行う意向だ。今季までの筋力トレーニングについて「(筋肉の)硬さが出るのがどうしても強くなるための変化と受け止められない」と明かし、「体を大きくしなやかに使える」自身の武器を生かす別のアプローチでの強化を思い描く。過去には山上りやクロスカントリー、自転車、卓球など奇想天外な発想で肉体強化を行っており、「自分の原点を大事にしたい。水泳とバドミントンを何らかの形でトレーニングに結びつけていけたら。もしかしたらテニスかも…」と柔軟にメニューを考えていく。
来年9月の世界選手権は、前回女王として既に出場が決まっている。「日本の皆さんの前でしっかり良い投てきができるように」。花の都の余韻そのままに、次は東京で世界連覇の偉業に挑む。
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