「虎に翼」師弟決裂 桂場ブルーパージ指示のワケ→寅子出禁 ネット悲痛「平清盛化…純度の低い正論が」
スポニチアネックス / 2024年9月17日 8時17分
女優の伊藤沙莉(30)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は17日、第122話が放送された。話題のシーンを振り返る。
<※以下、ネタバレ有>
向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛けた朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となった。
第122話は、佐田寅子(伊藤沙莉)は法制審議会少年法部会の委員に。最初から法改正ありきの議論を進める部会にイラ立つ。星航一(岡田将生)は山田よね(土居志央梨)と轟太一(戸塚純貴)の事務所を訪ね、斧ヶ岳美位子(石橋菜津美)の事件について聞く…という展開。
「朋一のこと、桂場のこと、少年法や家裁のこと、考えることが盛りだくさんな寅子です」(語り・尾野真千子)
星朋一(井上祐貴)は突如、最高裁事務総局から家裁へ異動。「勉強会に参加していた仲間も何人も、支部に異動になって。左遷としか言えない内示が出ていて」「こんなあからさまなこと、許されていいのかな」。寅子は桂場等一郎(松山ケンイチ)に直接、問いただした。
桂場「俺がすべて指示した」「それくらい分かるだろう」「裁判官は孤高の存在でなければならず、団結も連帯も、政治家たちが裁判の公正さに難癖をつけるための格好の餌食になる。今、君が奮闘する少年法改正の、邪魔にもなっただろう」
寅子「純度の低い正論は響きません」「政治家の顔色を見て、未来ある若者を見せしめにして、石を穿つ雨垂にもせず、切り捨てたということですよね。汚い足で踏み入られないために、桂田さんは長官として巌となったんじゃないんですか。あの日話した穂高イズムは、どこに行ったんですか」
桂場「そんなものを掲げていては、この場所にはいられん」
寅子「桂場さん、もう一度、何を守り、何を切り捨てるべきか、私や頼安さんと話してみませんか」
桂場「思い上がるな、立場をわきまえろ!」「出ていけ。以後、二度と用もないのに訪ねてくるな」
寅子「分かりました。お忙しい中、お時間つくっていただき、感謝いたします。どうぞ、お元気で」
“イマジナリー”多岐川幸四郎(滝藤賢一)が現れる。
「で、どうすんだ、おまえは。裁判所全体にどんよ~りした空気が流れてるぞ。そもそも、少年事件だけ目の敵にされるのだって、家庭裁判所の地位向上を怠ったせいもあるんじゃないのか。おまえの強権的な人事に嫌気が差した志高い裁判官たちはどんどん辞めていっている。人手不足が進むな~。おまえの掲げている司法の独立っちゅうもんは、随分寂しく、お粗末だな」
桂場は「黙れ!」。自分しかいない部屋に虚しく響いた。
桂場等一郎というキャラクターのモチーフとみられるのは、第5代最高裁判所長官・石田和外(かずと)(敬称略)。「青年法律家協会」所属のリベラル派裁判官らに左遷人事などを行い、排除。レッドパージならぬ「ブルーパージ(事件)」と呼ばれた。
“師弟”の対話は決裂。SNS上には「純度の低い正論が図星だった桂場」「それにしても、桂場さんの平清盛化(松山が主演を務めた12年の大河ドラマ)が著しい。そこからの眺めはいかがなんですか」「桂場さんがもはや清盛にしか見えないけれど、清盛は周りが見えなくなって孤独になった。桂場さんは見えすぎていて、敢えて孤独、孤高でいる。1人で司法の独立を守ろうとしてる。きっついな」「お団子を食べられないほど追い詰められ、孤独な桂場さんをフォロー、受け止めてくれる人はいるのかな」「イマジナリー多岐川と対決する桂場と、脳内多岐川に背中を押してもらうライアンの対比が鮮やか」などの声が上がった。
美位子の事件、少年法改正の問題は果たして。
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