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ダウン症俳優をメイン起用 NHKドラマP語る「日本初」の挑戦 「かぞかぞ」秘話「吉田葵だからこそ…」

スポニチアネックス / 2024年9月17日 9時17分

ドラマ10「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」の好演で注目を集めている吉田葵(C)NHK

 ダウン症の俳優・吉田葵(17)が、現在放送中のNHK総合ドラマ10「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(火曜後10・00)の好演で注目を集めている。同作は現在大ブレーク中の女優・河合優実(23)の連ドラ初主演作で、吉田が演じているのは、河合演じる主人公の弟役。ダウン症がある俳優が連続ドラマのメーンキャストを演じるのは、日本では初めてとなった。同作を手掛けた坂部康二プロデューサーは、吉田の演技をどう見ているのか。起用に込めた思いを語った。(中村 綾佳)

 SNSで話題となった作家・岸田奈美氏による同名エッセーを映像化。父が急逝し、母は突然車いすユーザーに。弟はダウン症…。そんな家族をめぐる「楽しい」や「悲しい」など一言では説明ができない日々の出来事を描いた、笑えて泣けて、考えさせられる、心がじんわりあたたかくなる物語。

 原作・岸田氏の心温まるエピソードをもとに、NHKは本人やご家族を丁寧に取材。独自の視点での脚色を加えてドラマとして表現している。この「実在するダウン症の弟・良太さん」がモデルとなった「草太」を、自身もダウン症のある吉田が見事に演じている。

 実は、ダウン症がある俳優を連続ドラマのメインキャストとして起用したのは、日本では今作が初めて。坂部氏は「草太」について「岸田さんのエッセーの核をなすキャラクター。この作品で、ダウン症以外の人が演じるのは違う」と、キャスティングに並々ならぬ思いを抱いていたという。

 だが撮影が長丁場となる連続ドラマで、しかもメーンキャスト。「難しいのでは…」という声もある中、坂部氏は自身の思いを撮影チームに丁寧に説明し、今回の起用を実現させた。

 そんな思いが詰まった「草太」役は、オーディションで選んだ。オーディションでは、10人ほどの候補者と対面。坂部氏は「どの方も魅力的だった」と振り返る。「ひとりひとりに、それぞれ違う魅力があって。モデルとなった原作の良太さんに寄せなくてもいい。俳優の個性に合わせて、役を調整していこうという方向になった。誰が演じても魅力的な草太になったのでは…というぐらい、本当に凄く悩んだオーディションでした」

 悩み抜いた末、吉田を「草太」に決めた。その決め手となったのは?坂部氏は、「吉田さんは、凄く努力家で負けず嫌い。周りにいる人はみんな彼を好きになってしまうという、天性のスター性を持ち合わせている」と魅力を語る。

 しかし、どこまで普段通りの撮影ができるのか…。異例の挑戦だけに未知数だったが、吉田の魅力を引き出すため「できる体制を整えよう」と奔走した。

 いざ撮影が始まると、坂部氏の不安はほとんど杞憂に終わった。「最初は“どこまで演じてもらえるか”がわからず、セリフも短くしていた」というが、吉田は制作側の期待を超える演技を見せた。セリフは、吉田の希望で他キャストと同じ関西弁に。さらに「吉田さんと接して人柄に触れる中で、“吉田さんはこういうしゃべり方をするから、こういうセリフを取り入れてみよう”と、どんどんイメージが膨らんでいった」という。「吉田さんご本人の魅力が、ストーリーにも生かされるようになった」と坂部氏。吉田が作品に関わることで、物語が厚みを増していった。

 原作・岸田さんのエッセーも、弟・良太さんのエピソードから始まっているほど、この「かぞかぞ」の中枢をなすダウン症の弟・草太。坂部氏は「“ダウン症のある人だから”ではなく、彼が俳優として演じてくれたからこそ、作品が成り立ったと思います」と胸を張る。

 「吉田さんの夢は、“世界中のダウン症の人とパーティーしたい”。それを聞くだけでも、彼の人柄がわかりますよね」と笑みを浮かべ「自分たちも、彼とお仕事する中で成長した部分がたくさんあった。凄くいい挑戦になったと思っています」と、確かな自信をかみしめていた。

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