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神木隆之介「俳優人生30年」初の1人2役 初日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」Pも驚く「別人ぶり」

スポニチアネックス / 2024年9月18日 17時2分

10月期日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」端島の炭鉱員の家で生まれ育った主人公・鉄平を演じる神木隆之介(C)TBSスパークル/TBS

 俳優・神木隆之介(31)が、10月スタートのTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(日曜後9・00)で初めて同枠の主演に抜てきされた。来年芸能活動30周年を迎える神木が、初めて一人二役に挑戦する。オファーを受けたときの心境は?スポニチアネックスの取材に応じ、作品に懸ける思いを語った。(中村 綾佳)

 本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。「アンナチュラル」(2018年)、「MIU404」(2020年)、現在上映中の映画「ラストマイル」など数々のヒット作を生み出してきた、野木亜紀子×塚原あゆ子×新井順子という強力チームが手掛ける。戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく。

 神木は同作で、俳優人生初となる「一人二役」に挑戦した。1955年の「端島パート」では、端島の炭鉱員の家で生まれ育った鉄平を、「現代パート」では現代の東京に生きるホストの玲央を演じる。

 「鉄平」は、端島の炭鉱員の家で生まれ育った明るく真っすぐな主人公。一方、ホストの「玲央」は、夢も希望もやる気もなく、抜け出せない日々のなかで自分をすり減らしながら生きている青年…というキャラクター。高度経済成長期の長崎県・端島で生きる誠実で真っすぐな鉄平と、現代の東京に生きる無気力で刹那的な玲央という、正反対の2人を演じ分ける。

 「一人二役」は、2歳で芸能界入りし、5歳で俳優デビューした神木にとって初の挑戦。オファーを受けた際の心境を「純粋に“一人二役ってどういうことですか?”と聞いてしまいました(笑い)」と振り返る。

 物語については、「端島の出来事は、僕が生まれる前のこと。もちろん経験していませんし…小さい島でたくさんの方が暮らして、限定された空間の中での人間関係って、特殊なことがいっぱいあると思うんです。その複雑な、島ならではの感じる事、悩み、喜び、安心…そういう思いを理解するのが難しかったですね」と、脚本を読んだ感想を告白。「繊細な表現が必要とされてくる作品になる…と思いました」と、率直な思いを明かす。

 1955年の端島、複雑な人間関係、さらに70年の時を経て、現代も…。その全てに、繊細な表現が求められる。神木は、演じ分けについて「(演出の)塚原さんたちと話し合いながら進めています」と明かし、塚原氏からは「鉄平は『ワンピース』のルフィみたいな人なイメージで」という説明があったという。

 一方の玲央は、「無気力・無感動・無関心の男で、自分の将来のことも考えていないし、どうすればいいのか、何をしたいかもわかってない、ただただ流れに身を任せて生きているキャラクター」と対照的。神木は「しゃべり方や姿勢を意識して変えて、出す雰囲気も変えました」と真剣な表情で語った。

 素の自分はどちらに近いのか?記者からの質問に対し、「テンションが上がるとルフィっぽいですが、家だと割と堕落してるので、玲央っぽさもあります(笑い)」とはにかむ。「しばらく休日が続くと、朝6時に寝る生活とかになっちゃうので…基本は鉄平、ちらちら玲央が出る感じです。どちらの気持ちも分かります」と打ち明けた。

 神木の挑戦となった「一人二役」の演技を見た新井プロデューサーは「別人のようなお芝居で驚きました」と、その演技に太鼓判を押す。「表情と目の光が、全く違うんです」とうなり、「お昼に鉄平、夜に玲央を演じてもらうという無茶ぶりなスケジュールもあったんですけど…“あれっ、さっきの人がいない”と思うほどでした」と称賛しきりだ。

 あらゆる人物を演じてきた神木が、実在した端島での暮らしに思いを馳せ、鉄平を表現する。同時に、性格が真逆な現代のホストにもなりきる。“神業”ともいえる演じ分けは、新井プロデューサーが「ドラマの見どころは、神木さんの一人二役です」というほど。高度成長期の端島を舞台に6人の交錯する甘酸っぱい青春と恋模様が見どころだが、70年の時代を超えた神木の熱演にも注目だ。

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