伊東勤氏 巨人 「隙」を突く積極走塁 DeNA 露呈した守備の「隙」
スポニチアネックス / 2024年9月20日 5時29分
◇セ・リーグ 巨人6―0DeNA(2024年9月19日 東京D)
【視点 伊東勤】巨人とDeNAの一戦は初回に明暗が分かれた。隙を突く好走塁を立て続けに決めて3点を先制した巨人に対し、隙だらけだったDeNAの守備。首位と4位の差が浮き彫りになった攻防を、スポニチ本紙評論家の伊東勤氏(62)が徹底分析した。
試合前、阿部監督と話をした。「一発で点を取るのが難しいので小技、足を使って点を取る野球。今年はそれがずっとできている」と語っていた。初回からその阿部野球が全開。強い巨人の形、DeNAに野球の違いを見せつけた。
初回の3点は積極的な走塁でもぎ取ったものだ。丸の二塁打と浅野の四球で無死一、二塁。吉川は2―1からの4球目、バントを試み内角球を空振りした。二塁走者の丸が飛び出した形で三遊間で立ち止まった。捕手の伊藤が二塁へ送球するのを見るや丸は迷わずスタート。三塁を陥れた。経験値の高い丸の思い切りのいい走塁でミスをチャンスに変えた。
吉川は気持ちを切り替え右中間へ先制の二塁打。1点を加えてなおも1死一、二塁。モンテスの一邪飛で二塁走者の吉川がタッチアップした。オースティンが捕球後に2、3歩無駄な動きをした隙を突いてのスタートだった。オースティンは慌てて三塁へ悪送球。吉川がホームを踏んだ。送球ミスがなければアウトのタイミングではあったが、吉川が積極的な走塁判断をしたからこそ取れた3点目。DeNAに決定的なダメージを与えた。
DeNAは大事な試合で守りへの意識の低さを露呈した。伊藤はすぐに二塁に送球せず前に出て丸の動きをけん制しながら送球すればアウトを取れたし、オースティンもタッチアップの可能性を頭に入れていれば送球エラーはなかったはずだ。打線の爆発を待っているだけでは勝てない。本当にAクラス争いをしているのかと思うほど、巨人とは野球の質に差があった。
エースの戸郷が8回無失点、4番の岡本和にも会心の一発が出た。昨年覇者の阪神と一騎打ち。巨人も阪神も簡単には負けない野球をしている。22、23日の直接対決でペナントの行方が決まる。
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