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【内田雅也の追球】「あと1球」「あと1死」からの粘りに希望を見た 残り8試合に全勝する気概を

スポニチアネックス / 2024年9月21日 8時3分

<D・神>4回、左前打を放つ大山

 ◇セ・リーグ 阪神6ー9DeNA(2024年9月20日 横浜)

 優勝争いが大詰めを迎えているこの時期は、勝敗という結果がすべてである。阪神は先発・西勇輝の乱調2回0/3、5失点も救援起用のジェレミー・ビーズリーの1回1/3、3失点も誤算だった。ただ、制球ミスを嘆いても仕方がない。

 だから敗戦後の監督・岡田彰布も「3回で終わりよ」「粘ったと言っても追い越されへんかったし」……と言い、「また明日」という問いかけに「そういうことよ」と前を向いていた。

 試合内容で書き留めておくとすれば、2ストライク後の明暗だろうか。

 西勇で痛かったのは2ストライクと追い込んでからの投球である。2回裏も3回裏も無死一塁で迎えた宮崎敏郎、佐野恵太にそれぞれ追い込んでから安打され、ピンチを拡大していた。いずれも決め球が甘く入ったのである。2回裏は伊藤光に2点打、3回裏はタイラー・オースティンに3ランを浴び降板となった。

 序盤で0―5の劣勢となったが、優勝に向けて気力が充実する阪神は粘り腰を見せた。4回表に4点を奪って1点差、その裏に失点すると5回表にもまた1点差と迫ったのである。

 光ったのは2ストライク後の打撃である。長短11安打を放ったが、2ストライク後の安打が7本にものぼる。加えて2死後にあげた打点が6点中4点にのぼった。

 たとえば4回表は無死一塁で大山悠輔が3ボール―2ストライクから三遊間突破の左前打でつないだ。1死後、前川右京も1―2と追い込まれてから右翼線に適時二塁打。木浪聖也も2―2から中前適時打した。5回表の梅野隆太郎右前適時打も2―2後だった。

 昨年、リーグ最多の四球を選ぶなど、選球と2ストライク後の粘り腰は阪神打線の特徴だった。岡田がキャンプから「追い込まれてもストライクゾーンは変わらん」と諭し、各打者に余裕と粘りの姿勢を生んでいた。

 2ストライク後の「あと1球」、2死後の「あと1死」から見せた粘りはたたえられていい。こうした姿勢や気概はシーズンでの「あと1試合」からの粘りに通じるのではないか。

 もちろん、痛い敗戦には違いはない。だが、1つ負けて連勝が止まったのならば、再び連勝するまでだ。希望を抱き、残り8試合、一戦一戦をすべて勝つ気で臨むのである。 =敬称略=

 (編集委員)

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