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ドジャース・大谷「50-50」昨季ルール変更が後押し“パワー偏重”抑制進めるMLBのフロントランナー

スポニチアネックス / 2024年9月21日 1時31分

<マーリンズ・ドジャース>7回、大谷は50号2ランを放ち50-50を達成、ベンチを出てスタンディングオベーションに応える(撮影・沢田 明徳)

 ◇ナ・リーグ  ドジャース20-3マーリンズ(2024年9月19日 マイアミ)

 大谷の史上初の「50―50」達成を後押ししたのは、昨季からのルール変更である。最も走者に有利に働いているのは、けん制の回数が制限(3度目でアウトにできない場合はボーク)されたこと。大リーグ全体の盗塁数は昨季、前年比41%増で史上2番目に多い3503。今季はさらに上回るペースだ。

 これはMLB機構の狙い通りと言える。近年は「フライボール革命」により、本塁打が激増し、17年には初めて年間6000本を超えた。一方で盗塁は減少し、21年のリーグ合計2213は10年前から1000以上減った。投手はスライドステップ(クイックモーション)ではなく、足を大きく上げて力勝負を挑む。極端に言えば、「本塁打か三振か」の野球になっていた。

 NBAやNFLの人気に押されているMLBとしては、パワー偏重の野球を抑制し、より動きのあるスリリングな野球の復活に活路を見いだそうとしている。昨季はブレーブスのアクーニャが史上初の40発70盗塁を達成し、今季は大谷が前人未到の「50―50」に到達。戦術として盗塁を多用するチームも現れ、一番乗りで地区優勝を決めたブルワーズはチーム盗塁数が22年の96から昨季は129、今季は197に増えている。

 野球のトレンドが変われば、対抗する新たな流れも出てくる。日本ではクイックモーションは1.2秒(投手が投球動作を開始してから捕手が捕球するまで)を切れば合格とされるが、今季のメジャー平均タイムは1.6秒。これでは大谷ら走力ある選手がフリーパスで走るのは当然だ。ある選手は「1.5秒台の投手が1.3秒台まで短縮している」と話すように、球界全体でスライドステップが見直され始めている。

 MLB機構が求めるのは多様な野球スタイル。とんでもないパワーを誇るヤンキースのジャッジがいれば、超人的なスピードを持つレッズのデラクルスもいる。パワーとスピード、その2つを50という高い領域で両立させたのが大谷。彼がMLBのフロントランナーであることは疑う余地がない。(編集局次長・甘利 陽一)

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