巨人が4年ぶりV 9者連続安打、浅野満弾、栗林を打ち込んで一挙9点…いろいろあった2024年

6月4日のロッテ戦で歴史的猛打！8回、ヘルナンデスは3ランを放ちナインとハイタッチ

　◇セ・リーグ　巨人8―1広島（2024年9月28日　マツダ）

　巨人が28日の広島戦（マツダ）に勝って4年ぶり39度目（1リーグ時代を含むと48度目）のリーグ優勝を決めた。

　現役時代に強打の捕手、一塁手として通算2132安打、406本塁打の成績を残し、8度の優勝と3度の日本一を経験した阿部慎之助監督（45）は就任1年目でのセ・リーグ制覇。球団では2002年の原辰徳監督以来22年ぶり6人目となる新人監督Vとなった。

　9月に入っても広島、阪神、DeNAと4球団で優勝争いが続くという史上空前の大混戦。巨人は9月5日に今季7度目の単独首位に浮上すると、9月10～12日に苦手な敵地・マツダで行われた広島（当時2位）との首位攻防3連戦で菅野、グリフィン、戸郷の好投もあって3連勝を飾り、広島を4ゲーム差に突き放した。

　9月22日の阪神戦（甲子園）では坂本が3度の得点圏でいずれも凡打に倒れて0―1で敗れ、2位・阪神に1ゲーム差と迫られたが、翌23日の同戦では0―0の7回に代打に起用された坂本が感動的な決勝打。“事実上の決勝戦”とも言える敵地での戦いで“1―0返し”を見舞い、ここから一気にゴールへ飛び込んだ。

　来月35歳になる菅野は9月15日の中日戦（東京D）で3年ぶりとなる中4日登板もこなし、2017年に最優秀バッテリー賞に輝いた同学年の盟友・小林と全24試合でバッテリーを組んでこの日も好投。昨季は自己ワーストの4勝（8敗）に終わったが、2018年以来6年ぶりとなる15勝目（3敗）を飾り、4年ぶり4度目の最多勝と4年ぶり2度目の最高勝率という個人タイトル2冠獲得も確実となった。

　巨人は昨季まで2年連続4位とBクラスに低迷したが、この日の勝利で76勝58敗7分けとなり、貯金18は2020年9月7日以来1482日ぶり。

　また、巨人は2009年に開場した敵地・マツダを大の苦手としており、2017年から2018年にかけて13連敗。昨季も3勝9敗と大きく負け越した。今季も当初は6戦勝ちなし4連敗を喫したが、7月9日に326日ぶり白星を飾ると、そこから5連勝。この日の勝利でマツダでの今季戦績を6勝5敗2分けとし、2013年以来11年ぶりの勝ち越しを決めて“鬼門”の呪縛も解き放った。

　今季の零敗はこれまでの球団ワースト15度を大幅に更新する20度で、無得点試合は22度。先発、リリーフともに投手陣が年間通じて安定していた一方で、打線は苦労が続いた。

　だが、6月4日のロッテ戦（東京D）では3回に9者連続安打＆1イニング12安打というセ・リーグ最多タイ記録も達成して18得点。8月14日の阪神戦（東京D）では19歳の浅野が放った今季初安打が先制＆決勝の満塁弾。9月7日のDeNA戦（東京D）では19残塁という拙攻続きだったが、引き分け寸前の延長12回2死からオコエがサヨナラ弾。

　9月11日の広島戦（マツダ）では8回まで二塁すら踏めず、零敗寸前だった9回に相手守護神・栗林を打ち込んで一挙9点を挙げる大逆転勝利を飾るなど、記録にも記憶にも残る勝利も多い2024年だった。